*341*
ヒ:こっち______おいで?
ヒロと私の空間だけが、そのスローモーションから秀でている感覚で…
ヒロの声が、身体中、隅々までにも染み込んでいった。
____________『愛しい…』
私の中には…
そんな想いしか残らなくて…
濵:ッ!、、、いっ、、く、、なっ、、、
そんな先輩の声が、スローで聞こえるけど…
響かない。
ヒロ……
あなたが…
____________『好き…』
想いが、止まらない、、、
私の身体は、真っ直ぐにヒロへと向かった。
*342*
藤:クッ!、、、や、、め、、ろッ、、、
濵:〇〇ーーーーーッ!!!、、、クッ!、、、いっ、、く、、、なっ、、、
遠くからの声。
でも、応えられない。
私…
ヒロの もとへ…
行きたいの。。。
怖さとか、不安とか、そういう負の感情 全てにベールがかけられ…
私が、いちばん望むモノがこれなのか…
私を動かしているのは、何なのか…
何も分からない。
ただ…
一歩。
もう一歩。
ヒロに近づくことに、、、
喜びを感じていた。
ヒロが差し伸べる掌に、そっと指先が触れると…
グッと掴まれた手首を引かれ…
私はヒロの胸の中に、、、収まった。
その胸は、暖かく…
クラっと めまいを呼び起こす手前で…
*343*
ヒ:いこか?
足が付かないくらいのフワつく意識で、否定なんて全く思いつかなく…
〇:うん…… どこ、、へ…?
顔を上げ、うつろな目でヒロを見つめる。
ヒ:愛し合おう…
〇:、っ//、、…ぅ…ぅん//
ピンクに染まった頬に釣り合う、トロンとした私の意識。
腰に回ったヒロの手が、私を引き寄せると…
もう片方の手は、私の頬をそっと撫で…
ヒロは私に…
一気に仕留めるような、
トロけるほど甘いのに…
深くまで差し込むような…
そんな、
本能むき出しの、キスをしてきた。
もう…
欲しいものなんて、、、
何も無い。
ヒロが側に居てくれるなら。。。
濵:ッ!!!、、ヤメローーーーーッ!!!
*344*
………ん、、ん〜っ、、、
サンサンと降り注ぐ朝陽の中…
チュンっ、チュンっ、、
こんな穏やかな朝があっただろうか…?
そんな風に感じる。
ふと気づくと、ベッドの足元に伏せてる人…
〇「…ヒロ、、?」
っ、、裸っ!!!
っ!!!、私もだ…!!!
あのキスの後…
私を きつく抱き寄せ、飛んだヒロ。
その後の記憶は、曖昧で…
何となく…
ヒロを愛しているという想いだけは深まっていた。
〇「、、ヒロ?」
その、愛おしい琥珀の髪に触れ…
呼んでも起きないヒロが、温かい事に安心した。
生きてる…
良かった。。。
*345*
良かった。。。
安堵した時だった!
ドスンッ!!!
大きな物音が したかと思ったら、
?「姫っ!、、ご無事でしたかっ!!!」
凄い勢いで扉を開き、ベッドの下で ヒザマずき、頭を下げる男の人。
えっ、ちょっ、誰ッ?!!!
シ「っ、ぃったぁ〜、、、」
ッ!!!、し、シゲさん??
その人の後ろから、足をさすりながら来たシゲさんは、
シ「ッ!!!、ちょっ!姫ちゃんッ!、裸やんっ//」
〇「はッ!!!、、な、何 見てるんですかッ!!!」
私は、慌てて布団の中へと潜り込んだ!
?「お、お前ッ!、頭が高いねんッ!!!」
その人は、そう言いながら、シゲさんの頭を押さえつけた!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!