第71話

『君月』341~345
143
2020/05/12 10:59

*341*







ヒ:こっち______おいで?








ヒロと私の空間だけが、そのスローモーションから秀でている感覚で…

ヒロの声が、身体中、隅々までにも染み込んでいった。










____________『愛しい…』










私の中には…


そんな想いしか残らなくて…









濵:ッ!、、、いっ、、く、、なっ、、、









そんな先輩の声が、スローで聞こえるけど…







響かない。







ヒロ……







あなたが…












____________『好き…』











想いが、止まらない、、、







私の身体は、真っ直ぐにヒロへと向かった。







*342*




藤:クッ!、、、や、、め、、ろッ、、、





濵:〇〇ーーーーーッ!!!、、、クッ!、、、いっ、、く、、、なっ、、、








遠くからの声。


でも、応えられない。






私…


ヒロの もとへ…


行きたいの。。。





怖さとか、不安とか、そういう負の感情 全てにベールがかけられ…




私が、いちばん望むモノがこれなのか…

私を動かしているのは、何なのか…





何も分からない。





ただ…


一歩。


もう一歩。


ヒロに近づくことに、、、








喜びを感じていた。








ヒロが差し伸べる掌に、そっと指先が触れると…


グッと掴まれた手首を引かれ…


私はヒロの胸の中に、、、収まった。





その胸は、暖かく…


クラっと めまいを呼び起こす手前で…








*343*





ヒ:いこか?





足が付かないくらいのフワつく意識で、否定なんて全く思いつかなく…





〇:うん…… どこ、、へ…?





顔を上げ、うつろな目でヒロを見つめる。






ヒ:愛し合おう…

〇:、っ//、、…ぅ…ぅん//






ピンクに染まった頬に釣り合う、トロンとした私の意識。





腰に回ったヒロの手が、私を引き寄せると…





もう片方の手は、私の頬をそっと撫で…











ヒロは私に…








一気に仕留めるような、

トロけるほど甘いのに…

深くまで差し込むような…





そんな、
本能むき出しの、キスをしてきた。










もう…


欲しいものなんて、、、












何も無い。










ヒロが側に居てくれるなら。。。















濵:ッ!!!、、ヤメローーーーーッ!!!























*344*

















………ん、、ん〜っ、、、











サンサンと降り注ぐ朝陽の中…













チュンっ、チュンっ、、











こんな穏やかな朝があっただろうか…?




そんな風に感じる。











ふと気づくと、ベッドの足元に伏せてる人…







〇「…ヒロ、、?」







っ、、裸っ!!!

っ!!!、私もだ…!!!









あのキスの後…







私を きつく抱き寄せ、飛んだヒロ。








その後の記憶は、曖昧で…








何となく…








ヒロを愛しているという想いだけは深まっていた。










〇「、、ヒロ?」








その、愛おしい琥珀の髪に触れ…






呼んでも起きないヒロが、温かい事に安心した。






生きてる…







良かった。。。









*345*




良かった。。。





安堵した時だった!



ドスンッ!!!



大きな物音が したかと思ったら、







?「姫っ!、、ご無事でしたかっ!!!」






凄い勢いで扉を開き、ベッドの下で ヒザマずき、頭を下げる男の人。





えっ、ちょっ、誰ッ?!!!





シ「っ、ぃったぁ〜、、、」





ッ!!!、し、シゲさん??


その人の後ろから、足をさすりながら来たシゲさんは、





シ「ッ!!!、ちょっ!姫ちゃんッ!、裸やんっ//」

〇「はッ!!!、、な、何 見てるんですかッ!!!」





私は、慌てて布団の中へと潜り込んだ!





?「お、お前ッ!、頭が高いねんッ!!!」




その人は、そう言いながら、シゲさんの頭を押さえつけた!





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