第84話

『君月』386〜390
108
2020/06/03 10:27

*386*




少しずつ目立ってきたお腹。


そのうち、ポコポコと内側を蹴るようになってきた。






〇:元気だなぁ〜





ひとり浸ってる時間は、決まって思い出す。


短かった、ヒロとの幸せな時間。






もっと好きだと伝えとけば良かった。





そんな後悔。





だから…
この子には たくさん伝えようと思った。





ありったけの愛を、、、捧げよう。









〇:ふふっw

シ:へっ?

〇:シャックリしてるw

シ:え、せやの?、、聞かせて?





と、大毅は何も構わず、私のお腹に耳を当てた。




っ// 、、ちょっと…ハズいな…






シ:ん〜??、、わからんなぁ〜





照れてる私に気付きもせず、大毅は真面目にお腹の音に集中しようとする。






その時!






ボコッ!!!









*387*





ボコッ!!!






シ:うわぁ!なになに?、、蹴られた??

〇:あはっw、辞めてって言ってるんじゃない?

シ:なんや〜もぉ〜、、パパですよぉ〜〜ww

〇:ッ///!!!、、えっ!!!

シ:せやろ?俺がパパ替りやろ〜が??







「なぁ〜?ww」と、ニコニコの大毅は、お腹の子に語りかけていた。






嬉しいんだけど…



本音は複雑で。






私は希望を捨ててはいなかった。





いつかは、またヒロに会える。




この子と一緒に暮らせると…





大毅には悪いけど…





この子のパパは、、、ヒロだから。









シ:〇〇に、、、謝らなアカン事があんねん。





お腹から離れると、大毅は、らしくないほどに真面目な、チョット沈んだ、弱い顔を見せた。










シ:神ちゃんが、ああなったの、、、俺のせいやねん。







〇:っ、、、え…









*388*





〇:…ああなったの……って…?






シ:『アカツキ』の、、瞳…






〇:っ、、あ、あの時の…








あの時、私の元へと戻ってきたヒロは…



狂っていた。



なのに私は…引き寄せられた。



操られるように。








心も、








身体も。








〇:な、、なんで?

シ:、、お前には〇〇を守れへんって…言うてもうて…

〇:…どうして…そんな事を…?

シ:やってアイツ、弱音ばっか吐くねん!、、「〇〇はホントに幸せなんやろか」とか「俺はシゲみたいに強くない」とか…







辛く、悔しそうな顔…






シ:、、、家族になるコトの意味が、、分かっとらんねん…






〇:大毅…






シ:でも、、こんなコトになるとは…、、、ほんまゴメン、〇〇…







大毅は優しい。



私には分かる。









*389*






〇:守りたかった。







〇:家族を。、、そうでしょ?







シ:、、〇〇…






〇:責めなくていい。大毅は ただ家族を守りたかった。、、それのどこがイケナイって言うの?







カスれた声…

今にも泣きそうな、大毅を…






ギュッ…






と、、、強く、、、強く、、、抱きしめ…










私は泣いた。









ヒロ…











逢いたい…





























______




桐:だいぶ 大きくなられましたので…

〇:ねぇ?、、私って…人間なの?

桐:えっ?

〇:この子って…

桐:…恐らく、ハーフです。

〇:桐山さんは、いくつなんですか?

桐:私は、ちょうど150歳です!

〇:、、お、お若い…ですね……








*390*



桐:時空が違うんです。地球とは。、、なので、5倍長生きすると言われてます。

〇:5倍も…

桐:、、、姫様…





この子が産まれても…


幼い頃に、私は死んでしまう。







桐:大丈夫です!俺らが、全力でお守りします!!!







地球なら、、、良かったのに…




















______



シ:不安か?

〇:…まぁ。

シ:神ちゃんに、、会いたいんか?

〇:そうね…できれば、この子の側にいて欲しい。

シ:…そっか。、、忘れられへんか…

〇:だって…この子の、






この子を、ヒロの分まで愛するには…



私には時間が足りない。







シ:っ、俺がおるやんっ!!!

〇:っ、、そうだけど……でも…

シ:絶対 幸せにしたる!、この子も、、、〇〇も、、

〇:…大毅、、、








〇:うん。、、、そうだね!






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