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第91話

『君月』421〜425
87
2020/06/09 12:29

*421*




鉄格子の小さな扉が開くと、



私は、その中へと足を踏み入れた。






カプセルの水の中に漂う身体は…





とても綺麗で…










シんでしまうかも知れないなどという考えを、






消し去ってくれるように思える。










私は、そのカプセルへと、手のひらを当てた。






酸素マスクから、一定の速度で漏れる空気だけが、生きていると感じられる。






でも…





怖い…








ずっとこのままなんて事だって、有り得るんでしょ?







「 〇:どうして…? 」








「 〇:どうして、私を ひとりにするの? 」








「 〇:ねぇ…」








「 〇:私まだ、、ほんの少ししか伝えられてないの、、」






















「 〇:愛してるの……………ヒロ…… 」








*422*





「 〇:愛してるの……………ヒロ…… 」






心で語りかけた。



想いを ぶつけてみた。








大毅みたいに、聞こえてるかも知れない。






少しの望みを、、期待に変えていた。














何の反応もない。







機械の数値も、変動しない。







やっぱり、、ダメなんだ…






どうして、、?

こんな風になる事なんて、知ってたはずなのに…




なのに どうして、月に来たの?






命をかけてまで。














知らずに泣いていた私は、


側に来た大毅に抱き寄せられた。







シ:ベイビちゃんとこ、、戻ろ?、な?






私は、コクリっと頷く事しかできず、





泣きながら、ヒロの側を離れ…





ガシャンッ!!!





鉄格子の扉が閉まる音だけが、ヤケに大きく、響き渡った。







*423*





私はお城へ戻り、また広い自分の部屋へと身を寄せた。





赤ちゃんと一緒に。





次の日も、また次の日も…





毎日、ヒロの病室へと足を運んだ。




そんな日が数日過ぎた時、




お城の仕事で、赤ちゃんを執事に預けられず、




私は初めて、赤ちゃんを連れて、ヒロに逢いに行った。




なんだか…



ドキドキと、胸が速く打っていた。






〇:、、パパだよ。






私は、赤ちゃんの顔をヒロの方へと向けて言った。



ヒロは相変わらず そのままで…



体力が戻る様子もなくて…











私はまた、涙を流した。







ぽとり…と落ちた涙。







赤ちゃんが泣き出した。





その泣き声は、たくましく…





ママへのエールに聞こえ…





頭の中で、こだまする。








*424*





「 〇〇…、、がんばりや… 」




ッ!!!




確かにそう聞こえた。




「 〇:ヒロなのっ?」




カプセルの中のヒロは、何も変わらずにいる。




オギャー!オギャー!

と、赤ちゃんの泣き声だけが、響いているだけだった。




「 〇:、、ヒロ…ねぇ、聞こえてる? 」




返事があるわけ無い。


そう思い、また涙が溢れ出した。





「 ヒ:その子は… 」




「 〇:ッ!、ヒロ?、、いま何か言ったでしょ? 」



「 ヒ:…その子の名前は、、テラ。、、」



「 〇:、、、テラ…? 」



「 ヒ:俺らが出逢った場所… 」



「 〇:、地球…? 」





赤ちゃんの顔を見て、呟いた。





〇:、、、テラ…




すると、ギャン泣きしてたのが、ピタッと止んだ!







*425*




「 ヒ:〇〇、、アイシテル… 」

「 〇:ッ!、ヒロッ!、、行かないでっ!!! 」





目を覚ますと思ったけど…



ヒロは、ピクリとも動く事もなく…






〇:テラ。、、パパまだ眠いんだね?






〇:また…くるね、、、ヒロ…






私は、涙を拭い、その場を後にした。













シ:どないしたん?




私は大毅を呼び出した。




〇:大毅、、名前…決まったよ!

シ:え、なになにぃ??

〇:…テラ。

シ:、、、地球?

〇:そう。、、ヒロがね、、教えてくれたの。

シ:っ、目覚めたんか?

〇:ううん。、、状態は、な〜んにも変わらない。、、けど…





ふわぁ〜〜ん…




と、可愛らしい あくびをするテラに、



癒しをもらった。






〇:けど…、、テラも感じてる。、、パパの存在を。