*241*
シ:あ"ぁ!もぉッ!神ちゃんッ!!!
か、神ちゃん??
誰それ??
ヒ:っ!!!ぅへぇぇぇ〜〜ッ!シゲやんっ!
彼の腕が背中から外れると、
スッ!っと 私の左手を取って後ろ手に回し引き寄せられた。
シ:なんやそれ!イチャつきながら「ぅっへぇぇぇ〜〜!」やあらへんでっ!!!
ヒ:へ?なんか あったん??
シ:あったから来たんや!満月なって、速攻来たったわぁ〜!
ヒ:や、満月やなくてもシなへんで?
シ:いや、地球怖いねんもぉ〜〜んっ!!!
な……なんなんだ?
この人……?
また…
ルトゥ??
しかも…
彼より…
シ:ヒ〜メちゃん?!俺、シゲっ!ヒロのダチw アヒャッ!ww
子供やんッ!!!
5歳児くらい??ww
*242*
〇:……ど、、、ども…
シ:なんや?人見知りかぁ?神ちゃんには懐いてるくせしてぇ〜w
懐いてるって…
私、ペットじゃないし!
ヒ:で?何あったん?
彼が改めて そう聞くと、
「あ〜」と頭をポリポリしながら、困った様子で私を見た。
〇:ん??………私が……何か…?
そう聞き返す私に向かって、
っはぁぁぁぁぁ〜〜〜〜っ……と呆れ果てた様な ため息を吐いた。
ト:立ち話もなんですから〜
っ!!!
後ろから、いきなり登場したトキさんに びっくりして、私は彼にしがみついてしまった。
〇:なんだぁトキさぁ〜んっ!驚かさないでくださいよぉ〜//
シ:仲ええな?
〇:えっ//
ヒ:当たり前や!w とりあえず、家入ろ?
〇:う、うん…
私達は、トキさんのお宅へお邪魔することになった。
*243*
ヒ:あ、それ、俺やります!
ト:そう?いつも ありがとうw
お盆に乗った湯呑みを、コトっ…コトっ…と、テーブルに下ろしながら、
ヒ:お茶どうぞ♡
シ:神ちゃん…馴染んでるなぁ?
ヒ:もう、人間みたいやろ?
なんて、和む会話をしていた彼等から…
この後…
耳を疑う様な事を聞くことになるなんて…
ヒ:見ての通り、俺らは順調やで?
シ:まぁ…そうみたいやな?
ヒ:っつっても、さっき久々に再会したんやけどなw
シ:……だろうな…
シゲ…さん?
(で、呼び方 イイのかなぁ?)
シゲさんの表情が変わると、隣に座った彼の手が、私の左手に重なった。
「ヒ:……怖ない?」
「〇:…大丈夫……あなたが居るから//」
自然と目が合って、微笑む彼。
うひょっ♡天使♡
久々の天使の笑顔に一瞬 浮かれていた。
*244*
シ:濵チャンなんやけど……良からぬ行動 取っとるやろ?
それって…
人間になって、私と暮らしていきたいって事…?
ヒ:あ〜それか…ウラ取れたん?
シ:や、ソレを確かめよう思うて…
シゲさんは また、私に視線を当てた。
〇:ん??……私?
シ:ごめんな姫ちゃん!事情聴取させてもらうわ!
〇:事情聴取って…何ですか?
ヒ:大丈夫や?…〇〇の記憶を、覗かせてもらうだけやから。
〇:エッ!記憶を覗くッ?
シ:痛ないから!おデコに指を当てるだけや!
そういう問題じゃない!
記憶って…
例えば…先輩と、どんな事をしたか とかでしょ?
私、全裸にされる様なもんじゃんっ!!!
そんなの恥ずかしくって、簡単に「うん」とは言えないよっ!
シ:ホンマ大丈夫やって!「わぉぅ♡」な所はモザイク掛けさせて頂きますんで!
〇:モッ!モザイクぅ〜?!!!
*245*
〇:そんな…モザイクなんて、かけられるの?
シ:真面目か!!!
〇:ちょっと待って!あなた方には普通の事かも知れないけど、私にとっては……
〇:それに、事の真相が分からない!先輩がどんな悪いことしたって言うのよ?…ずっと、ずっと、私を守っていてくれた人だよ?………それに……
〇:私、何があっても、月へは帰るから!ホント大丈夫だから!
私が抵抗すると、シゲさんはまた表情を変えた。
シ:今まで…俺らは、濵ちゃんの能力に頼ってきた。姫ちゃんが無事に過ごしているのは、全部…濵ちゃんのお陰や!
シ:せやから、皆んな感謝しとるんやで?…でも…能力使って、姫をたぶらかしてるって噂を聞いてん。
〇:能力で?…どういう事…?
シ:俺らは記憶に幕を掛けた様に、消したりする。けど…濵ちゃんは……
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。