第50話

『君月』241〜245
153
2020/02/02 03:58

*241*




シ:あ"ぁ!もぉッ!神ちゃんッ!!!





か、神ちゃん??
誰それ??





ヒ:っ!!!ぅへぇぇぇ〜〜ッ!シゲやんっ!





彼の腕が背中から外れると、


スッ!っと 私の左手を取って後ろ手に回し引き寄せられた。






シ:なんやそれ!イチャつきながら「ぅっへぇぇぇ〜〜!」やあらへんでっ!!!

ヒ:へ?なんか あったん??

シ:あったから来たんや!満月なって、速攻来たったわぁ〜!

ヒ:や、満月やなくてもシなへんで?

シ:いや、地球怖いねんもぉ〜〜んっ!!!






な……なんなんだ?

この人……?





また…





ルトゥ??





しかも…






彼より…







シ:ヒ〜メちゃん?!俺、シゲっ!ヒロのダチw アヒャッ!ww






子供やんッ!!!


5歳児くらい??ww






*242*


〇:……ど、、、ども…

シ:なんや?人見知りかぁ?神ちゃんには懐いてるくせしてぇ〜w





懐いてるって…

私、ペットじゃないし!





ヒ:で?何あったん?





彼が改めて そう聞くと、
「あ〜」と頭をポリポリしながら、困った様子で私を見た。





〇:ん??………私が……何か…?





そう聞き返す私に向かって、
っはぁぁぁぁぁ〜〜〜〜っ……と呆れ果てた様な ため息を吐いた。






ト:立ち話もなんですから〜





っ!!!




後ろから、いきなり登場したトキさんに びっくりして、私は彼にしがみついてしまった。





〇:なんだぁトキさぁ〜んっ!驚かさないでくださいよぉ〜//

シ:仲ええな?

〇:えっ//

ヒ:当たり前や!w とりあえず、家入ろ?

〇:う、うん…





私達は、トキさんのお宅へお邪魔することになった。






*243*




ヒ:あ、それ、俺やります!

ト:そう?いつも ありがとうw





お盆に乗った湯呑みを、コトっ…コトっ…と、テーブルに下ろしながら、





ヒ:お茶どうぞ♡

シ:神ちゃん…馴染んでるなぁ?

ヒ:もう、人間みたいやろ?





なんて、和む会話をしていた彼等から…

この後…
耳を疑う様な事を聞くことになるなんて…





ヒ:見ての通り、俺らは順調やで?

シ:まぁ…そうみたいやな?

ヒ:っつっても、さっき久々に再会したんやけどなw

シ:……だろうな…





シゲ…さん?
(で、呼び方 イイのかなぁ?)


シゲさんの表情が変わると、隣に座った彼の手が、私の左手に重なった。






「ヒ:……怖ない?」

「〇:…大丈夫……あなたが居るから//」





自然と目が合って、微笑む彼。



うひょっ♡天使♡



久々の天使の笑顔に一瞬 浮かれていた。






*244*



シ:濵チャンなんやけど……良からぬ行動 取っとるやろ?






それって…
人間になって、私と暮らしていきたいって事…?






ヒ:あ〜それか…ウラ取れたん?

シ:や、ソレを確かめよう思うて…





シゲさんは また、私に視線を当てた。





〇:ん??……私?

シ:ごめんな姫ちゃん!事情聴取させてもらうわ!

〇:事情聴取って…何ですか?

ヒ:大丈夫や?…〇〇の記憶を、覗かせてもらうだけやから。

〇:エッ!記憶を覗くッ?

シ:痛ないから!おデコに指を当てるだけや!





そういう問題じゃない!

記憶って…
例えば…先輩と、どんな事をしたか とかでしょ?





私、全裸にされる様なもんじゃんっ!!!





そんなの恥ずかしくって、簡単に「うん」とは言えないよっ!






シ:ホンマ大丈夫やって!「わぉぅ♡」な所はモザイク掛けさせて頂きますんで!

〇:モッ!モザイクぅ〜?!!!





*245*


〇:そんな…モザイクなんて、かけられるの?

シ:真面目か!!!

〇:ちょっと待って!あなた方には普通の事かも知れないけど、私にとっては……





〇:それに、事の真相が分からない!先輩がどんな悪いことしたって言うのよ?…ずっと、ずっと、私を守っていてくれた人だよ?………それに……






〇:私、何があっても、月へは帰るから!ホント大丈夫だから!






私が抵抗すると、シゲさんはまた表情を変えた。





シ:今まで…俺らは、濵ちゃんの能力に頼ってきた。姫ちゃんが無事に過ごしているのは、全部…濵ちゃんのお陰や!





シ:せやから、皆んな感謝しとるんやで?…でも…能力使って、姫をたぶらかしてるって噂を聞いてん。






〇:能力で?…どういう事…?





シ:俺らは記憶に幕を掛けた様に、消したりする。けど…濵ちゃんは……





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