*326*
藤:ルトゥのジェラシーは、ほんまヤバいレベルなんよ。、人間の感情やからな、ヤキモチは。
〇:そうなの?
藤:おん。、、恐らく、今のヒロの中には、ルトゥと人間が半分くらいの割合で混在しとる。
〇:えっ!でもでも、昨日キスして…あの衝撃で、私の腕のケガが癒えたのに…
藤:ふぅ〜んw 刺激的なチュウしたんやぁ?ww
〇:っ、もう!からかわないのっ!、、ヒロは完全にルトゥに戻ったって言ってたのに…
ヒロとは通信できないし…
どうしたらいいの?
藤:月に居った時、上司から聞いた。前にもあったんやて。そういうコト。
〇:エッ!?
以前にも…
_______
ルトゥナ同士、人間とルトゥが混在した状態のふたりが居た。
ふたりは地球で幸せに暮らしていた。
、、、はずだった。
ある日、些細な事がキッカケで、
今のヒロの様にジェラシーに狩られた ひとりが…
_______
藤:もうひとりの命を狙った。
*327*
藤:もうひとりの命を狙った。
〇:えっ……
藤:や、未遂に終わったんやけどな?、そいつは永久追放になってん。
〇:え、永久追放??未遂だったのに…重くない?
藤:普通のルトゥならな。
〇:??、普通じゃないって……?
嫌な予感がした。
藤井くんは、足を組み替え、前のめりの体勢になると、対面に座っている私に小さめの声で言った。
藤:相手が……姫やったんよ。
〇:ッ!!!
予感が的中したのに、そのショックからか、
一瞬、、、
息が止まった感覚だった。
〇:、、、ひめ…
藤:姫のルトゥナを死刑にするワケにもいかず、永久追放になったって話しや。
藤:怖い話ししてもうて、ゴメンな?
〇:う、うん…大丈夫。、、でも…
藤:、、ん?
〇:ヒロの誤解を解かなきゃ…
藤:せやな〜、、んじゃあ、俺らも一緒に行くわ!、、お墓!
*328*
今日は…
ヒロのお誕生日なのに…
その夜。
ひとり…何もする事もなく、お風呂に浸かって考えた。
今ごろ、月で何をしているの?
私のこと…気にしてくれてるかな…?
不安になっているヒロの気持ちを、癒せたなら…
腕のアザが、まだ ほんの少しだけ痛んだ。
______
カ:ヒロくん居ないなら、泊まりに行こうかなぁ〜〜
次の日。
カレンは いつも通りに、『私の太陽』みたいな存在感を見せた。
残りの時間をカレンと過ごせる事は、私にとっても、嬉しかった。
〇:ふふっw 来て来てぇ〜〜ww
いつからだろう?
カレンが、私の心に寄り添うようになったのは…
「今夜は呑むぞっ!」と買い出して来たものをテーブルに並べたカレン。
*329*
カ:私を置いて、ホントに行っちゃうんだ〜〜?
〇:カレンは、、藤井くんと幸せにね?!
カ:うん!、それにしても残念だなぁ〜
〇:ん?何が?
カ:私のウェディングドレス姿が見られないなんて〜w
〇:ホントだぁ!めっちゃ盛り上がる余興、考えてたのになぁ〜w
カ:ナニ?ナニ考えてたの?
〇:ふふっw じゃあ特別に、、、
〇:「こらぁぁぁ〜〜カレ〜〜ンっ!」
カ:ぷっ!あははっ!、、中学の担任じゃ〜んww 誰もわからないモノマネww 盛り上がるの私だけだからぁ〜〜!
私達は一晩中、笑い転げて過ごした。
懐かしい話し。
最近の同級生の話し。
藤井くんの家庭料理の話し。
全部が楽しくて、忘れられない。
出来れば、カレンにも…
忘れて欲しくないな…
笑っても笑っても、そんな淋しいことは無くならないんだな。
私は月へ、、、帰るんだ。。。
*330*
次の日。
私とカレンは久々に、一緒に通勤をしていた。
カレンが藤井くんと同棲し始めてから、ウチに泊まるのは初めてで、
ウチにヒロが居ないのも、久しぶりだったから…
なんて…
そうやってすぐ、ヒロを考える。
今、月で何をしてるんだろう?
いつ帰ってくるんだろう?
まさかこのまま…
いいや、私を迎えに来てくれるはず、、、
だよね……?
______
杉:〇〇さん、全ての案件の詳細を新人に渡しといてね〜
部署では、私が居なくなる準備を着々と進めている。
新人:で、先輩、、、式はいつか決まったんですか?
〇:、式……??
新人:結婚式、挙げますよね?、、〇〇さんのウェディングドレス姿、素敵なんだろうなぁ〜〜
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。