第70話

『君月』337〜340
178
2020/04/28 14:20
*337*



濵:俺に「〇〇を危ない目に遭わせないでやって?」って…

〇:そうだったんだ…

濵:せやから、、、今、謝ってきた。

〇:どうして?、先輩は私を守ってくれてたじゃないですか??

濵:これからは、、俺やない。









ヒロ…








弱い先輩を見てると…


余計にヒロが恋しくなる。



ヒロに守られたい。

ヒロに抱きしめてもらいたい。




ヒロに…






触れられたい…









〇:そうね!、、これからは、ヒロが居るから!、、、先輩は安心して、杉本先輩を守ってください!






空気を変えれるように、そう振る舞った私に、





濵:だなっ!、でも杉本は、、、守るとこなさそうやけどな?ww




先輩も合わせてくれたのが分かった。




〇:あ〜〜!、そんなディスっちゃってイイんですかぁ??





*338*


濵:ちゃうわ!強いってことや!

〇:だから、それがディスってるんじゃないですかぁ〜〜ww

濵:ちゃう!自立してはるの!

〇:へぇ〜、、じゃあ…濵田先輩、そのうち構ってもらえなくなるんじゃないですかぁ??

濵:いいや!、つっても、俺を必要としとるからな?

〇:ホントかなぁ〜?ww




私達はまた、楽しく笑い合った。


これが最後の思い出だなんて、感じないくらいに。

悲しさなんて、感じないくらいに。





〇:あははっ!、先輩の負けぇ〜〜ww

濵:っ!そんなん、ズルイわぁ〜〜ww




たくさん笑って…

別れが待ってる事なんて、忘れるくらい。




先輩と一緒だと…





やっぱり…










楽しいな。。。









心から、そう思ったその時、、、












ヒ:〇〇から離れろ…




〇:ッ!!!







*339*



後ろからの その声に、ビクッとしたと同時に、背筋を冷ます感覚を覚えた。








〇:ヒロ…







一瞬で解る。

様子がおかしい。





ヒロの透き通るような綺麗な瞳が、、、

琥珀の…

月の色が…







赤く染まっていて…






気付いたのは私だけじゃない。

ただならぬ空気を まとったヒロを感じた。









ヒ:〇〇、、〇〇、、〇〇、、









鋭い目つきで私を見つめ、私の名前をブツブツと呟く。







濵:〇……〇〇っ、、、ミ、、、ル、、、ナ、、、






動かない!

身体も、、、視線さえも、、、






藤:〇〇ッ!!!、、、見ちゃダ、、メ、、だ……っ!、、、






私だけじゃない!

皆んな、身体が動かないんだ!









*340*



外されないヒロの視線。

私の名前を、ゆっくりと何度も繰り返し呟く。






ど、どうなってるの?

怖いよ…






「ヒ:〇〇…?、、聞こえる?」

「〇:ヒ、ヒロなの?、、これ、どうなってるの?」

「ヒ:大丈夫。大丈夫やで?、、俺を…信じて?」

「〇:でも、、その瞳……怖い…」

「ヒ:、、、お願いや…信じて…?」






ッ///!!!






ヒロの表情が、柔らかくなる。




一瞬!
ブワンッ!と風が捲き上がった!




葉や小さな枝を巻き込んだ乱風は…



パッ!っと照らされた明かりの後に、、、




まるで、全てが静止しているかくらいの、スローモーションになった。















ヒ:こっち______おいで?







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