第57話

『君月』276〜280
147
2020/02/09 13:31

*276*



トンッ!!!



次の瞬間、降り立った場所は…





ま:んぁッ!!!……えっ?えっ??





声がする方を見ると、管理人のまどかさんが、目を まん丸くして、アワアワとしていた!





〇:あ、あのっ!違うんです!これは、、、えっと…

ま:つ、ツッコミどころが満載だわねっ…!






私は、しがみついていた手をパッと離し、
何か言い訳を考えなきゃ!と、焦っていた。



そ、そりゃ、そうだよね?



人が急に現れたし…

兄妹で、抱き合ってるし…





ヒ:ふふっw 驚かせちゃってすみませんw 〇〇に呼び出されちゃって!飲み過ぎて帰れない〜!ってww

ま:そ、そう?優しいお兄様だコト。、、、







ま:ってッ!!!今ッ!ココに急に現れたでしょッ?!!!





ヒ:それはぁ〜〜ww






彼は、ニヤケながら まどかさんに近寄ると、






ヒ:今流行りのやつですよ〜ww








*277*





ヒ:ほら、あそこ見て下さい?






と、彼の指が夜空を差すと、まどかさんはソレに吊られた。





っ!!!





まどかさんが、ストンっ!と地面に崩れると…



まどかさんの背中に当てていた彼の掌から、キラキラとした残像が見えた。






ヒ:今のうち!

〇:えっ?……あ、うん!






焦りながらもカバンから鍵を見つけ出し、私達は部屋へと入った。






〇:ねぇ?まどかさん…大丈夫かなぁ?…風邪ひなかいかな…





チョット心配になり、ドアスコープから覗こうと背伸びをすると…





ヒ:ごめん…





その言葉で、私のカカトはストンっ…と降りた。



彼はまた…後ろから私の首筋に顏を埋め、愛おしそうに、優しく、私を包んだ。





ヒ:部屋の中に着くはずやったのに…俺のチカラって…ダメやなw





自虐で笑ってるフリをしてるけど…




彼の気持ちは…




筒抜けだ。







*278*




その気持ちを隠そうと、





ヒ:ほな、帰るな…?





後ろから そう言って、腕を解くけど…


そんな淋しそうな声で…





〇:もぉw バレバレw

ヒ:…そっかw

〇:居てもイイよ?





ふふっw と少し笑いながら、上から目線で言ってみた。





ヒ:てかさ…





えっ?「てかさ」??

思ってた返しと違う!

「ホンマぁ?やったぁ〜!」なんて、おやつ前の子犬の様に喜ぶ姿を想像してたのに…






ドンッ!!!






っ!ドアドン??ち、ちかい///!!!






ヒ:居って欲しいんやろ?

〇:っ///!!!





彼にも私の気持ちは、筒抜けだ//



彼の瞳に、私が映るのが分かると、胸のドキドキは加速した!





やっぱ……好きなんだ…





ヒ:っ///…あ〜暖かいもんでも飲もか?





まるで、私の心のつぶやきが聞こえたかの様に、彼は照れていた。




ヤバい…



可愛い……再来かよ…♡






*279*




「はいっ」と渡されたココアを、彼も持って私の隣へ座った。



「ありがとう」と受け取りながら…



隣に座った彼にドキドキしていた。





私達は揃って、ココアを一口飲んで まったりとした空気になっていた。





〇:あ、のさ…さっきはホント、ありがとね?

ヒ:おん。…





「おん」と言ったのに…うつむく彼。



何か言いたげだと感じ、私は少し身構えた。





ヒ:……なぁ〇〇?

〇:は…はい……?

ヒ:約束して欲しい事がある。

〇:…約束?…って…何?





彼は、ココアのカップをテーブルに置くと、私の手からもカップを取り、テーブルに並べた。



隣に座りなおし改まると、私の瞳を真っ直ぐ見つめた。












ヒ:怖かったんや…













彼の琥珀色の瞳には…



涙が溢れ出しそうなくらい、浮かんでいた。







*280*




ヒ:命を懸けるなんて……もう考えんといて??…お願いや……もう…






〇:ごめんなさい…






ヒ:ホロスコープが同じだから、俺も危ういとか、そんなんやなくて…





〇:うん…





ヒ:…約束…してくれる?





〇:…うん。分かった!もう そんな事、考えないよ!w






これ以上、彼が辛くならない様に、私は笑った。





けど…





ヒ:…ええ子やから……キスしたる…





っ///!!!なんてぇ!!!


少しも思いもしなかった オスモードっ!!!






〇:っ!えっと…//…





完全にテンパってる私に動じず…


彼は私の首筋に手の平を沿わせると…








ゆっくり…










近付いて…









ヒ:ええよな?









と、その吐息が唇に触れる距離で…













囁いた。




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