*276*
トンッ!!!
次の瞬間、降り立った場所は…
ま:んぁッ!!!……えっ?えっ??
声がする方を見ると、管理人のまどかさんが、目を まん丸くして、アワアワとしていた!
〇:あ、あのっ!違うんです!これは、、、えっと…
ま:つ、ツッコミどころが満載だわねっ…!
私は、しがみついていた手をパッと離し、
何か言い訳を考えなきゃ!と、焦っていた。
そ、そりゃ、そうだよね?
人が急に現れたし…
兄妹で、抱き合ってるし…
ヒ:ふふっw 驚かせちゃってすみませんw 〇〇に呼び出されちゃって!飲み過ぎて帰れない〜!ってww
ま:そ、そう?優しいお兄様だコト。、、、
ま:ってッ!!!今ッ!ココに急に現れたでしょッ?!!!
ヒ:それはぁ〜〜ww
彼は、ニヤケながら まどかさんに近寄ると、
ヒ:今流行りのやつですよ〜ww
*277*
ヒ:ほら、あそこ見て下さい?
と、彼の指が夜空を差すと、まどかさんはソレに吊られた。
っ!!!
まどかさんが、ストンっ!と地面に崩れると…
まどかさんの背中に当てていた彼の掌から、キラキラとした残像が見えた。
ヒ:今のうち!
〇:えっ?……あ、うん!
焦りながらもカバンから鍵を見つけ出し、私達は部屋へと入った。
〇:ねぇ?まどかさん…大丈夫かなぁ?…風邪ひなかいかな…
チョット心配になり、ドアスコープから覗こうと背伸びをすると…
ヒ:ごめん…
その言葉で、私のカカトはストンっ…と降りた。
彼はまた…後ろから私の首筋に顏を埋め、愛おしそうに、優しく、私を包んだ。
ヒ:部屋の中に着くはずやったのに…俺のチカラって…ダメやなw
自虐で笑ってるフリをしてるけど…
彼の気持ちは…
筒抜けだ。
*278*
その気持ちを隠そうと、
ヒ:ほな、帰るな…?
後ろから そう言って、腕を解くけど…
そんな淋しそうな声で…
〇:もぉw バレバレw
ヒ:…そっかw
〇:居てもイイよ?
ふふっw と少し笑いながら、上から目線で言ってみた。
ヒ:てかさ…
えっ?「てかさ」??
思ってた返しと違う!
「ホンマぁ?やったぁ〜!」なんて、おやつ前の子犬の様に喜ぶ姿を想像してたのに…
ドンッ!!!
っ!ドアドン??ち、ちかい///!!!
ヒ:居って欲しいんやろ?
〇:っ///!!!
彼にも私の気持ちは、筒抜けだ//
彼の瞳に、私が映るのが分かると、胸のドキドキは加速した!
やっぱ……好きなんだ…
ヒ:っ///…あ〜暖かいもんでも飲もか?
まるで、私の心のつぶやきが聞こえたかの様に、彼は照れていた。
ヤバい…
可愛い……再来かよ…♡
*279*
「はいっ」と渡されたココアを、彼も持って私の隣へ座った。
「ありがとう」と受け取りながら…
隣に座った彼にドキドキしていた。
私達は揃って、ココアを一口飲んで まったりとした空気になっていた。
〇:あ、のさ…さっきはホント、ありがとね?
ヒ:おん。…
「おん」と言ったのに…うつむく彼。
何か言いたげだと感じ、私は少し身構えた。
ヒ:……なぁ〇〇?
〇:は…はい……?
ヒ:約束して欲しい事がある。
〇:…約束?…って…何?
彼は、ココアのカップをテーブルに置くと、私の手からもカップを取り、テーブルに並べた。
隣に座りなおし改まると、私の瞳を真っ直ぐ見つめた。
ヒ:怖かったんや…
彼の琥珀色の瞳には…
涙が溢れ出しそうなくらい、浮かんでいた。
*280*
ヒ:命を懸けるなんて……もう考えんといて??…お願いや……もう…
〇:ごめんなさい…
ヒ:ホロスコープが同じだから、俺も危ういとか、そんなんやなくて…
〇:うん…
ヒ:…約束…してくれる?
〇:…うん。分かった!もう そんな事、考えないよ!w
これ以上、彼が辛くならない様に、私は笑った。
けど…
ヒ:…ええ子やから……キスしたる…
っ///!!!なんてぇ!!!
少しも思いもしなかった オスモードっ!!!
〇:っ!えっと…//…
完全にテンパってる私に動じず…
彼は私の首筋に手の平を沿わせると…
ゆっくり…
近付いて…
ヒ:ええよな?
と、その吐息が唇に触れる距離で…
囁いた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。