第52話

『君月』251~255
151
2020/02/02 04:23

*251*




先輩…そんな顔しないでよ…




濵:何か……あったんか?

〇:えっ、えっと…

濵:アイツか?

〇:え?

濵:アイツやろ?ヒロと会ったんやろッ!!!

〇:っ!…せ、、、先輩っ…







こ、怖いよ…





初めてだ…




先輩を怖いと思ったの…







カ:ど、どうしたの?!……先輩?





いつもの先輩からは思いもよらない姿に、カレンもビックリしていた。






濵:……カレンには…関係ないやろ…






バツが悪そうに、うつむく先輩。





カ:そうは思えません。






カ:先輩は………ルトゥだから…






〇:っ!!!カレン?まさか…思い出したの?

カ:…うん。2週間くらい前かな……先輩が、消した記憶。

濵:っ!!!……それでも関係ないやろ…

カ:関係ないワケないでしょっ!〇〇は大切な人なの!月になんか帰さないッ!!!





*252*



杉:何なのっ!こんな所で、何を言い合ってるの!





杉本先輩が割って入ると、濵田先輩は何も言わずに出て行ってしまった。





杉:何の話をしてたの?……ねぇ?ルトゥって…何?




私とカレンに聞いてくるけど…

何も答えられない。






カ:あ〜何て言ったらイイのか…説明が難しいっていうか…






そんな風に、カレンが濁してると…




杉本先輩の背後に人影が見えて…



フラっ…



いきなり気を失い倒れかけた。





シ:おっと!…ウッ……この人…重い…





〇:っ!!!…シゲさんっ!






慌てて駆け寄り、倒れた杉本先輩を、二人掛かりでベンチに乗せた。






シ:ふぅーッ!人間って重いのな?ww




〇:シゲさん…どうして…




シ:あ〜今日からお世話になります、重岡大毅と申します!






*253*




シ:よろしゅうたのんます〜w





袖口のボタンを外し、腕まくりをしながら、そう答えた。



カレンは、不思議そうに彼を見ていた。






シ:スーツって、慣れるまでに時間かかりそうやわぁ〜

〇:…な、何しに来たの?

シ:偵察や〜悪いやつから、姫ちゃん守らんと〜






不思議そうに見られてるのに、表情が変わらない。



ルトゥって…空気 読めないのね。






藤:あ〜あ。もう、やっちゃったのぉ?ダメじゃ〜んw

シ:おぉ〜流星〜w 久しぶりぃ〜!






ふたりは陽気にハイタッチをした。






カ:流星…友達なの?

藤:おん!…あ、シゲ?この可愛子ちゃんが、カレン。俺の彼女やで!

シ:へぇー・・・まぁ、よろしくお願いします。

カ:…はい…よろしくお願いします。






不審な人を見るように、カレンは答えながらも後ずさりし、私の後ろに隠れた。






*254*


〇:…カレン…ごめんね?……巻き込んじゃって…

カ:大丈夫。私…気付いたから。

〇:??気付いた?

カ:世の中で、〇〇が一番 大切なの!流星よりも!w

〇:カレン〜〜(泣)……私も。カレンとずっと一緒に居たいよ…

カ:大丈夫だよ!絶対 私が守るから!!!

〇:…ありがとw






〇:……でも、カレン…危ない事はしないでね?






そう言うと…
カレンの顔は、曇った。






カ:あの人達って…危ないの?そんなチカラ持ってるの?

〇:……うん。…先輩やシゲさんは…かなりのチカラを持ってるみたい。

カ:そんな!益々、〇〇を渡せないじゃん!!!






カレン…





そんな風に言うカレンには、申し訳ないんだけど…


私は、月へ帰る。


これだけは…変えられない。






私達は、何も無かったかの様に、部署へ戻りデスクへ着いた。







*255*





2課新:あの〜〇〇さん?濵田課長 知りませんか?






コソコソと近寄り耳打ちする2課の新人くん。






〇:…し、知らないけど……どうして私に?

2課新:そ、それは…






っ!!!えっ?!!!






2課新:課長と、お付き合いしてるんですよね?






新人くんは、キョロキョロと周りを気にして、さっきよりもコソコソと私に耳打ちした。





〇:と、とにかく私は知らないから…さぁ戻って?






否定することも出来ず、慌てて そう答え、新人くんを帰した。









彼氏…





なのかな?





先輩、どこに行ったんだろう?





私、あんな事しちゃって…







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