*251*
先輩…そんな顔しないでよ…
濵:何か……あったんか?
〇:えっ、えっと…
濵:アイツか?
〇:え?
濵:アイツやろ?ヒロと会ったんやろッ!!!
〇:っ!…せ、、、先輩っ…
こ、怖いよ…
初めてだ…
先輩を怖いと思ったの…
カ:ど、どうしたの?!……先輩?
いつもの先輩からは思いもよらない姿に、カレンもビックリしていた。
濵:……カレンには…関係ないやろ…
バツが悪そうに、うつむく先輩。
カ:そうは思えません。
カ:先輩は………ルトゥだから…
〇:っ!!!カレン?まさか…思い出したの?
カ:…うん。2週間くらい前かな……先輩が、消した記憶。
濵:っ!!!……それでも関係ないやろ…
カ:関係ないワケないでしょっ!〇〇は大切な人なの!月になんか帰さないッ!!!
*252*
杉:何なのっ!こんな所で、何を言い合ってるの!
杉本先輩が割って入ると、濵田先輩は何も言わずに出て行ってしまった。
杉:何の話をしてたの?……ねぇ?ルトゥって…何?
私とカレンに聞いてくるけど…
何も答えられない。
カ:あ〜何て言ったらイイのか…説明が難しいっていうか…
そんな風に、カレンが濁してると…
杉本先輩の背後に人影が見えて…
フラっ…
いきなり気を失い倒れかけた。
シ:おっと!…ウッ……この人…重い…
〇:っ!!!…シゲさんっ!
慌てて駆け寄り、倒れた杉本先輩を、二人掛かりでベンチに乗せた。
シ:ふぅーッ!人間って重いのな?ww
〇:シゲさん…どうして…
シ:あ〜今日からお世話になります、重岡大毅と申します!
*253*
シ:よろしゅうたのんます〜w
袖口のボタンを外し、腕まくりをしながら、そう答えた。
カレンは、不思議そうに彼を見ていた。
シ:スーツって、慣れるまでに時間かかりそうやわぁ〜
〇:…な、何しに来たの?
シ:偵察や〜悪いやつから、姫ちゃん守らんと〜
不思議そうに見られてるのに、表情が変わらない。
ルトゥって…空気 読めないのね。
藤:あ〜あ。もう、やっちゃったのぉ?ダメじゃ〜んw
シ:おぉ〜流星〜w 久しぶりぃ〜!
ふたりは陽気にハイタッチをした。
カ:流星…友達なの?
藤:おん!…あ、シゲ?この可愛子ちゃんが、カレン。俺の彼女やで!
シ:へぇー・・・まぁ、よろしくお願いします。
カ:…はい…よろしくお願いします。
不審な人を見るように、カレンは答えながらも後ずさりし、私の後ろに隠れた。
*254*
〇:…カレン…ごめんね?……巻き込んじゃって…
カ:大丈夫。私…気付いたから。
〇:??気付いた?
カ:世の中で、〇〇が一番 大切なの!流星よりも!w
〇:カレン〜〜(泣)……私も。カレンとずっと一緒に居たいよ…
カ:大丈夫だよ!絶対 私が守るから!!!
〇:…ありがとw
〇:……でも、カレン…危ない事はしないでね?
そう言うと…
カレンの顔は、曇った。
カ:あの人達って…危ないの?そんなチカラ持ってるの?
〇:……うん。…先輩やシゲさんは…かなりのチカラを持ってるみたい。
カ:そんな!益々、〇〇を渡せないじゃん!!!
カレン…
そんな風に言うカレンには、申し訳ないんだけど…
私は、月へ帰る。
これだけは…変えられない。
私達は、何も無かったかの様に、部署へ戻りデスクへ着いた。
*255*
2課新:あの〜〇〇さん?濵田課長 知りませんか?
コソコソと近寄り耳打ちする2課の新人くん。
〇:…し、知らないけど……どうして私に?
2課新:そ、それは…
っ!!!えっ?!!!
2課新:課長と、お付き合いしてるんですよね?
新人くんは、キョロキョロと周りを気にして、さっきよりもコソコソと私に耳打ちした。
〇:と、とにかく私は知らないから…さぁ戻って?
否定することも出来ず、慌てて そう答え、新人くんを帰した。
彼氏…
なのかな?
先輩、どこに行ったんだろう?
私、あんな事しちゃって…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。