*431*
ハァ…ハァ…ハァ……
息を切らし、ヒロが眠っている研究室へと入った。
〇:ハァ、ハァ、、、ヒロの… ハァ、ハァ、、側に行かせて?
そこに居た研究員達に、檻の扉を開いてもらい、
私だけが、檻の中のヒロが居る、カプセルへと…
歩んでいった。
「 〇:、、ヒロ…?、来たよ…? 」
「 ヒ:〇〇… 、、やっとこの日が来たよ… 」
「 〇:この日…って? 」
「 ヒ:『アカツキ』の 6月のパワーを、最大限に取り込んだ。 」
「 〇:って、、ことは… 」
「 ヒ:目覚めるよ! 」
「 〇:ッ!、、ホ、ホントっ?? 」
「 ヒ:おん。やっと〇〇と逢える! 」
「 〇:、、ッ…やばい、もう…めっちゃ嬉しいっ!!! 」
「 ヒ:でもな?、、ひとつだけ、不安要因が… 」
*432*
カプセルの中のヒロは、まだ、ピクリとも動かず、
液体の中を漂いながら、私と心で会話している。
「 ヒ:俺が…目覚めた時……どうなってるか、分からへんのや。 」
「 〇:え……それって…『アカツキ』? 」
「 ヒ:せや。なるかも知れへん…」
「 〇:もし、そうなったら… どうすれば… 」
「 ヒ:どうにかして、俺を捕まえて欲しい。けど… 」
「 ヒ:アカツキのパワー相手に、そんな事でけへんやろな… 」
「 ヒ:月ごと…破壊してまうかも…しれん… 」
ッ!!!
ヒロが目覚めたら…
私たちは…
シぬって事…?
「 〇:どうしたら… 」
「 ヒ:…俺が考えたんは… 」
「 ヒ:俺を、殺す。」
「 〇:ッ!!! 」
*433*
「 〇:、、そ、そんなぁ!、、やっと目覚めたのに、、、殺されるなんて… 」
「 ヒ:なぁ、〇〇?、俺がシぬって事は… 」
「 〇:っ!、私も… 」
「 ヒ:、、テラも居るし…〇〇をシなせるワケには… やっぱ、、このまま… 」
「 〇:いやッ!!!そんなの許さないッ!!! 」
「 ヒ:ッ!、〇〇… 」
「 〇:テラは、、ヒロを感じてる。、、、会わせてあげたい。、、、それに… 」
「 〇:…ヒロ?、、、愛してるの… 」
「 〇:もう一度、、、ヒロに… 」
「 〇:ヒロに触れられたい…// 」
ずっと想っていた。
思い出せない、あの日の夜のこと。
愛する人と結ばれたのに…
覚えてないなんて…
*434*
「 ヒ:〇〇…// 、、でもテラが… 」
「 〇:大丈夫だよ?! 」
「 〇:テラには、信頼できる家族が居るから…。 」
私は もう一度「 大丈夫! 」と、ヒロの背中を押した。
「 ヒ:じゃあ、、、〇〇の、チカラを… 」
「 〇:、、う、うん…。 」
ツバをゴクリっ!と飲み込むほど、
私は緊張していた。
「 ヒ:リラックスして…? 」
「 〇:うん。、じゃあ、、、やるね? 」
私は、ヒロのカプセルに掌を当てがった。
こんな事、いつ覚えたのだろうか分からない、
私の身体は、キラキランっ☆ と、星屑のような細かい光を放ち、
深い深いチカラを、掌からカプセルの中へと注いでいった。
*435*
ヒロが目覚めて『アカツキ』だったなら…
私たちは…
毒ガスに支配されて…
檻の中で、眠った様に殺される。
お願いっ!!!
ヒロ…
私の、愛しい人…
戻ってきて…
パリンッ!!!
バシャーーーーーーーンッ!!!
カプセルが割れた衝撃で、辺りに大量の水が飛び散り、
私は、、、足を取られて転倒し…
そのまま、、、意識を失ってしまった。
「 〇:、、ヒロ… 」
「 ヒ:、、、〇〇… 」
「 〇:一緒に、、シねるなら… 」
「 〇:私は… 」
「 〇:、、、幸せ………だ……よ… 」