第56話

ジェシー 🦓 樹の彼女4
4,207
2021/03/19 09:55
朝方
ジェシー
ジェシー
俺、帰るね……
きまづくて、あなたちゃんと
目を合わせられない……



なのに、あなたちゃんは
玄関まで
送ってくれる


樹はさっさと
寝てしまった……
あなた

気をつけて。
ごめんね。
なんか…その……

あなたちゃんは
申し訳なさそうに
俯くから
泣くんじゃないかと
思って
ジェシー
ジェシー
こっちこそ、ごめん。
頭真っ白に
なっちゃって
その、がっつきました。

ちゃんと、気持ち良かったから
安心して……
じゃない、ごめんなさい……
あなた

そっか。
うん。大丈夫だよ。
謝らないで。
樹が悪い事にしよう。

ねっ?

ジェシー
ジェシー
優しいんだね。
あなた

そんな事ないよー
また、たくさん面白い話
聞かせてね。

ジェシー
ジェシー
うん。
思わず、あなたちゃんの頭を
ポンポンとした


あなたちゃんは満面の笑みで



あぁ、愛おしく思うって
こんな気持ちなのかな?
って思った


俺はあなたちゃんに
顔を近づけて………
唇が触れるかどうかの距離
樹
ジェス
ジェシー
ジェシー
あっ、起きてたの…
樹
のど、乾いて…
ジェシー
ジェシー
そっか、じゃ樹
ありがとうね。
また、後で。
じゃ。
慌てて玄関を出た




やばかった。
素でキスしようと
してた。




帰り道、俺は

あなたちゃんは樹の彼女


って何回も唱えながら帰った











それから一週間



楽屋に来たってわけ。




まぁ、気まずいよね。




そんな、皆んなみたいに
キャッキャッ
出来ない………





だって、俺ちゃんと
頭の中で
一杯呪文みたいに唱えたのに




この一週間で
何度も、何度も
あの時のことを思い出しては
一人でしちゃってんだもん………





あれから、樹は俺に何も言ってこない




基本、人のものに興味はない。


だって意味なくない?




でもさ、例外ってあるよね?



俺、樹に勝てるかな?




………………end………………

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