朝方
きまづくて、あなたちゃんと
目を合わせられない……
なのに、あなたちゃんは
玄関まで
送ってくれる
樹はさっさと
寝てしまった……
あなたちゃんは
申し訳なさそうに
俯くから
泣くんじゃないかと
思って
思わず、あなたちゃんの頭を
ポンポンとした
あなたちゃんは満面の笑みで
あぁ、愛おしく思うって
こんな気持ちなのかな?
って思った
俺はあなたちゃんに
顔を近づけて………
唇が触れるかどうかの距離
慌てて玄関を出た
やばかった。
素でキスしようと
してた。
帰り道、俺は
あなたちゃんは樹の彼女
って何回も唱えながら帰った
それから一週間
楽屋に来たってわけ。
まぁ、気まずいよね。
そんな、皆んなみたいに
キャッキャッ
出来ない………
だって、俺ちゃんと
頭の中で
一杯呪文みたいに唱えたのに
この一週間で
何度も、何度も
あの時のことを思い出しては
一人でしちゃってんだもん………
あれから、樹は俺に何も言ってこない
基本、人のものに興味はない。
だって意味なくない?
でもさ、例外ってあるよね?
俺、樹に勝てるかな?
………………end………………
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。