〜樹サイド〜
それはいきなりで
親父が再婚する事になった
妹ができると聞いて、俺はあぁ、
相手が妊娠でもしたのか…
なんて呑気に考えで、親父が幸せなら
イイんじゃね?
って、再婚話も簡単に賛成した
でも、実際顔合わせに現れたのはあなただった
同じ学校の同級生
俺の好きな人
思春期真っ只中の俺は単純で
ラッキー✌️なんて考えで
中ニに上がる前の春休みに親子で
俺の家に引っ越してきた
なんて、気恥ずかしく言うあなたは
可愛いくて。これなら、アピールし放題じゃん
なんてさ。
で、実際そんなはずなくて
お兄ちゃんと言われて、ハッとした
そっか………
兄妹になった。家族に。
手出してイイ相手じゃない………
ましてや、気持ちなんて伝えてイイ訳ないんだ
ドキッとした
あなたから樹呼び……
本当なら大声で喜ぶ所。
でも、出来ない。兄妹だから……
それからは、ただ我慢の日々
お笑い番組が結構好きで、そりゃもぅ
大声で腹抱えて笑う姿
魚を丁寧に食べる
ピーマンが嫌い
やたらと綺麗好き
アイスは余り好きじゃなくて
チョコは大好き
ボタンが多い家電が好き
知らない一面を次々に発見して
そのたびに俺は心を奪われていく
忘れるって事なんて出来なくて………
俺は距離を置く様になっていった
一番良かったのは
ジャニーズに入ってた事
休みの日は仕事だレッスンだと家に居なくて
良かった。
まさかの、反応だった。
俺の仕事に興味無さそうだったから。
確かに言われる可能性はある
だよなー。呼んだらあなたに
迷惑かかるかも…
自分で言ってて心にグサッっときた
誰か教えてほしい
どうやったら、気持ちってなくなるの?
どうやったら、妹として見れるの?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!