第106話

樹🦁交差しない関係
2,706
2021/05/11 15:49


どうも気に食わない


最近、きょもとあなたの距離が


近いように感じる…



樹
なー、きょも。
最近あなたと仲良くない?
大我
大我
ん?まぁ、そうかな。
ダメ?
樹
…………いや。
ダメじゃないけどさ。
大我
大我
けど?
樹
なんかあったの?
大我
大我
特別な事はとくに。
でも、あなたの事
可愛いって思うよ。
樹
……好き…なの?
大我
大我
さぁーねー
樹
ちょっ、それ
答えになってないじゃん
大我
大我
じぁー、樹は?
好きなの?
樹
はっ?妹だぞ?
大我
大我
血繋がってないじゃん。
樹
でも、兄妹だろ?
大我
大我
それを決めるのは
二人じゃないの?
まぁ、俺は俺で
するから気にしないで!
ねっ。


昼休みになると、いつもは二人で食べてたのに


あなたと待ち合わせしてるから


って、屋上に行ってしまった。




今まで悪いムシがつかない様に


守っていたけど


きょもにはそんな事出来なくて…



だって、本気だったら?




俺はずっと、思ってた



俺が尊敬出来る男なら任せてもいいって



きょもなら………



友達として、メンバーとして


一人の男として尊敬してる。



……………これで、いいのか。








あなた

樹ー!

樹
えっ?どーした?
よく来れたな。
あなた

まじで、大変。
こっちの校舎来るの。

樹
大我なら屋上行ったぞ?
ってか、気をつけろよ?
バレたら謹慎くらうぞ?
あなた

それは大我に言ってよ。
それよりさっ……

樹
大我って呼び捨て
してたっけ?
あなた

あー……….、
大我がそう呼べって
言って……だから。

樹
………そっか。
樹
で?用事?
あなた

はい。お弁当!
忘れてたよー

樹
……ぁっ、あぁ。
わりぃ。
購買行こうと思ってたわ。
あなた

良かった。走ってきた
んだからね?
もぅ、忘れないでよ?

樹
はい、はい。
もう、行けよ。
きょも待ってるぞ。
あなた

………樹は?
行かないの?

樹
えっ?
……あー、やめとく
あなた

そっか。
じゃーね。

なんか、また失恋した気分だ



こんなにも、心を掴まれて


少しづつ離れていくのかと思うと


いっその事……


俺だけになって、俺で泣いて、俺で傷ついて



俺を恨んで、オレだけでいっぱいになれば



いいのにって





それから、しばらくして



二人はちゃんと付き合い始めたって



聞いた。



それは、大人になった今でも



続いている。




俺は兄として変わらず



側にいる。




あの日の事は気まぐれで、



気の迷いだったんだから



プリ小説オーディオドラマ