じょんぐく君のことを歩きながら観察していると、少しだけ性格が垣間見ることが出来る一面があった。
まず、じょんぐく君は電車が通過する時のおの大きな音が嫌いだということ。
必ずと言っていいほど顔をくしゃっとさせるから。
そして、じょんぐく君は犬が好きだということ。
犬を放し飼いしているような住宅街に入った時に、ある白い犬が じょんぐく君 に擦り寄ってきた。それをじょんぐく君が嬉しいそうに撫でていたから。
あのぐらい私にも笑顔を見せてくれたって……って、私ったら何を考えているのだろう。
この人は私のことを 好き とか、そういう特別な感情を抱いてもいないのに私を利用するような人。
何があっても私だってそんな人を好きになるわけが無い。
1人で自分にそんなことを心の中で言い続けていたら私の通う高校の校門が見えた。
すると、ピタッとじょんぐく君が止まり
🐰「着いたから行くわ。てか、昨日みたいに遅かったら置いてくから」
と言われてスタスタと歩いていくじょんぐく君。
『いや、別に頼んでなんか……』
と、弱々しい声でじょんぐく君のもう何メートルも進んでしまっていた背中に言ってみた。
👩「先輩〜!!」
後ろから さらんちゃん の声が聞こえた。
振り返ってみると、そこには さらんちゃん とその横に じみんが。
私の顔を見るなり気まずそうに じみん は
🐥「おはよう」
と、言ってきた。
さらんちゃんは私とじみんの元々の関係を知らないであろうから私も おはよう と返す。
決して、あの過去だけは さらんちゃん に知られたくないんだ。
あんなに立派なことを言っていたような私がこんなんじゃ さらんちゃん に教えられるような立場の人間の資格もないくせに。
👩「さっき一緒に歩いてた人って、、もしかして あなた先輩の彼氏、、とか?!笑」
なんて、少し興奮気味に話す さらんちゃん に私はこう言った。
『うーん……でも、ほんとにあの人は私のことを好きじゃないよ?笑』
👩「またまた〜笑 一緒に登校するぐらい仲良いくせに〜!!笑」
なんて肘でぐりぐりと私にしてくる。
『でもね、あの人は私のこと好きじゃないよ?笑』
👩「え〜、それはないと思うなぁ笑」
なんて言うもんだからたまったもんじゃない。
🐥「、、付き合ってるの?」
『え?』
🐥「あの人と」
さっきまで何も言わなかったくせにいきなり口を開いたじみん。
いきなり何を言い出すかと思ったらそんなことか。
『訳ありで付き合ってる。』
そう言うと
🐥「" また " こじらせてるの?」
なんていうから
『あれは全部あんたのせいじゃん。』
っていった。
だって、そう言われた時とても腹が立ったから。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。