ピピピピッ
こうして、朝から私の耳を刺激するこの音は目覚まし時計の音で
この音が世界一と言っていいほど私は大嫌いだ。
この音を聞けば、朝がまた来て、私の一日がまた始まるんだと思わされるから。
もうこんな生活は慣れたんだろう。
今となっては、1人の家。
母の赤く怪しく光る、母にとっては ガラスの靴 のように綺麗なハイヒールは
玄関のどこを探さてもなくて、お父さんは、2年前に喧嘩の耐えない家庭に飽きて出ていってしまった。
そう、イコール1人なのだ。
今日の食事代は1000円。
このお金で一日を過ごせば良いらしい。
全く母は身勝手だ。
まだ17あまりの娘を放ったらかしにするんだもの。
誰も私を呼ばない学校に、一人でいくのも慣れた。
でも、まだ慣れていないことがひとつあるとすれば…………
ドンッ
👩「……った、、」
誰かにぶつかってしまった。
きっと彼女は私のクラスメイト。
『あ、ごめっ……』
私の顔を見るなり顔色を変える。
👩「や、やだぁ笑 ビッチに触っちゃった笑」
『………………』
こうして、私の耳にじんわりと染み込む悪口は 近くで聞くと
悪くないものだ。
Prolog END.
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!