少しでも、幸せになって欲しくて。
大人に戻った時には盛大に遊ばせてやろう。
そう思ったトントンは鬱に質問する。
鬱は、うーんと頭を傾げ、決まったのかトントンの前まで来て
と、笑顔で言った。
鬱らしいと思ったトントンは自然に笑みを浮かべ
と返し、頭を撫でた。
鬱は、えへへと笑いトントンに大好き!と抱きついた。
そんな光景を部屋の外から眺めていた甘党組。
グルッペンはゴミを見るような目で。
オスマンは目の前にお菓子があるような目で。
去り際にグルッペンは部屋を覗く。
すると、こちらに気づいていたのかトントンが親指を立て、グッドポーズをしていた。
それを見たグルッペンは安心し、部屋を去って行く。
鬱は気づかないまま、トントンに話しかけていた。
~数日後~
これはまずい。
トントンは医務室で、しんぺい神に話を聞いていた。
話によると、鬱は仕事のストレスで小さくなったとかそうじゃないとか。
戻るのはあと一週間後。
それまでに鬱のために出来ることが見つからない。
すると、しんぺい神が閃いたのか指を立て、
と、俺いいこと言ったとドヤ顔で言う。
少しむかついたトントンだが、いいアイディアとしんぺい神に感謝をし、部屋を出ようとする。
そしたら、腕を掴まれ、
腕を振り払う。
大きな音を立て、ドアを閉める。
そして、何事も無かったかのように歩き始めたトントンであった。
城下町は賑わっていた。
国民達が自ら作り上げた食材や服や道具の数々。
それを売るために客を呼び寄せる男の声。
鬱は、驚きを隠せないまま、口を開け、辺りを見回していた。
鬱の指を指す方には大勢の人集りが。
うんうんと頷くと、鬱の手を引き、歩き出すトントン。
人が多すぎてよくは見えなかったが、鬱をおんぶし、見えるかー?と聞くと
と、言う。
トントンも隙間から覗いてみるとそこには、人に囲まれたコネシマとシャオロンの姿を見つけた。
移動しようとトントンは鬱の手を引く。
だが、鬱は嫌だと駄々を捏ね、仕方なく2人に声をかける。
街の人々がキャーショキチョウサマヨー!!とトントンの方に迫ってくる。
状況を理解できない鬱は指を指し、頭には、はてなマークが浮かび上がってるように見えたトントン。
これ○んだわと思うのもつかの間。
人にもみくちゃにされ、困っているトントンを遠くからゲラゲラと笑っている狂犬組。
戻ったら粛清してやろう。
そう思ったトントンであった。
その後は、なんやかんやあって、城下町を楽しんだ鬱。
トントンは疲れ果ててましたとさ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!