第7話

小さくなっちゃった(3)
2,168
2018/11/25 05:58
トントン
なあ、鬱。
大人になったらしたい事とかあるん?
少しでも、幸せになって欲しくて。

大人に戻った時には盛大に遊ばせてやろう。

そう思ったトントンは鬱に質問する。

鬱は、うーんと頭を傾げ、決まったのかトントンの前まで来て
みんなと一緒に居たい!
と、笑顔で言った。

鬱らしいと思ったトントンは自然に笑みを浮かべ
トントン
せやな。
俺も、鬱といつまでも一緒に居たいわ。
と返し、頭を撫でた。

鬱は、えへへと笑いトントンに大好き!と抱きついた。


そんな光景を部屋の外から眺めていた甘党組。

グルッペンはゴミを見るような目で。

オスマンは目の前にお菓子があるような目で。
グルッペン
...何だ、あれ。
オスマン
幸せそうめう。
大先生、昔はあんなに可愛かったんやね。
グルッペン
可愛い...のか?
オスマン
グルッペンは可愛いとは思わないと思うけど、みんなは思うんやない?
俺は可愛いと思うし。
グルッペン
それだと、俺だけ性格悪い奴みたいじゃないか。
オスマン
実際、そうなんじゃない?
グルッペン
は?
オスマン
さー、お茶会するめうー。
グルッペン
おい!
俺も参加するゾ!
去り際にグルッペンは部屋を覗く。

すると、こちらに気づいていたのかトントンが親指を立て、グッドポーズをしていた。

それを見たグルッペンは安心し、部屋を去って行く。

鬱は気づかないまま、トントンに話しかけていた。



~数日後~



これはまずい。

トントンは医務室で、しんぺい神に話を聞いていた。

話によると、鬱は仕事のストレスで小さくなったとかそうじゃないとか。

戻るのはあと一週間後。

それまでに鬱のために出来ることが見つからない。

すると、しんぺい神が閃いたのか指を立て、
しんぺい神
外で思いっきり遊ばせてやったら?
ストレス発散には運動がええんやでー。
と、俺いいこと言ったとドヤ顔で言う。

少しむかついたトントンだが、いいアイディアとしんぺい神に感謝をし、部屋を出ようとする。

そしたら、腕を掴まれ、
しんぺい神
あれ?もう帰るん?
添い寝は...)))
腕を振り払う。

大きな音を立て、ドアを閉める。

そして、何事も無かったかのように歩き始めたトントンであった。





城下町は賑わっていた。

国民達が自ら作り上げた食材や服や道具の数々。

それを売るために客を呼び寄せる男の声。

鬱は、驚きを隠せないまま、口を開け、辺りを見回していた。
あ、あれ何!?
鬱の指を指す方には大勢の人集りが。
トントン
ん?
なんやろ。行ってみる?
うんうんと頷くと、鬱の手を引き、歩き出すトントン。

人が多すぎてよくは見えなかったが、鬱をおんぶし、見えるかー?と聞くと
誰かいるー
と、言う。

トントンも隙間から覗いてみるとそこには、人に囲まれたコネシマとシャオロンの姿を見つけた。
トントン
...次行くで。
鬱。
移動しようとトントンは鬱の手を引く。

だが、鬱は嫌だと駄々を捏ね、仕方なく2人に声をかける。
トントン
おーい、シッマ、シャオロン。
コネシマ
お!
トントンやん!
シャオロン
あ~^^
たちゅけてー。
街の人々がキャーショキチョウサマヨー!!とトントンの方に迫ってくる。

みんなどうしちゃったのー?
状況を理解できない鬱は指を指し、頭には、はてなマークが浮かび上がってるように見えたトントン。

これ○んだわと思うのもつかの間。

人にもみくちゃにされ、困っているトントンを遠くからゲラゲラと笑っている狂犬組。

戻ったら粛清してやろう。

そう思ったトントンであった。

その後は、なんやかんやあって、城下町を楽しんだ鬱。

トントンは疲れ果ててましたとさ。
また行きたーい!
トントン
せ、せやな...。
しんぺい神
...どうなる事か。

プリ小説オーディオドラマ