第5話

🍏₄
431
2022/10/05 11:00
???
ばか、お前…っ!
突然箒がガタッと揺れ、爽やかなリンゴの香りがふわっと鼻孔をくすぐる。




箒は急カーブし、気づけば目の前には壁ではなく青い空が広がっていた。
あなた
えっ…あ…っ///
そして私は、彼にバックハグされているような形で箒に乗っているのに気がついた。

そして、それを訓練場の生徒全員が見ていることに。



すると途端に顔が熱くなっていくのがわかった。
???
あぁ、悪い。
後ろから声が聞こえ、箒はだんだんと地面へ降下していった。



すごい…。
なぜ彼が私の箒に乗っているのかいまいち理解できなかったが、彼の箒の技術の高さは素人の私にもはっきりと伝わった。
マダムフーチ
マダムフーチ
Mis.ホワイト!怪我はないですか?!
地面へと降りると、マダムフーチが黒いマントをなびかせながら走ってきた。
あなた
あ、はい!大丈夫です…!
マダムフーチ
マダムフーチ
それはよかった。今後このようなことがないよう、くれぐれも注意してくださいね。
マダムフーチ
マダムフーチ
今日は解散とします!怪我をした人はいませんね?
マダムフーチが声を張り上げ生徒の群れの中に入っていくと同時に、フローラが駆け寄ってきて、私を両腕を掴むようにして顔を覗かせてきた。
フローレンス・ウィンダム
フローレンス・ウィンダム
あなた!大丈夫?!
あなた
フローラ…大丈夫よ、ありがとう
フローレンス・ウィンダム
フローレンス・ウィンダム
心配したんだから…っ
フローラに勢い良く抱きしめられ、私は自然と安堵の笑みがこぼれた。


フローレンス・ウィンダム
フローレンス・ウィンダム
それより…あれ、マルフォイよね?
あなた
えっ?
軽く眉間に皺を寄せているフローラの視線の先を見ると、大きな黒い箒を持って訓練場を出ていく彼の姿があった。
あなた
……うそ…
フローレンス・ウィンダム
フローレンス・ウィンダム
すごいスピードでいきなり現れたかと思ったら、自分の箒からあなたの箒へ飛び移ったの…
あなた
そうだったのね…私、行ってくる!
フローレンス・ウィンダム
フローレンス・ウィンダム
ちょっと…!あなた?!


よりによって助けてくれたのが彼だったなんて…

これは神様が私に彼とお話するチャンスをくださったんだわ、と確信した私は、フローラの声には振り向かず彼が出ていった方向へと走った。










______廊下。


廊下の向こうに、目立ったプラチナブロンドの頭が見える。
さっき見かけたのと同じ、深緑のマントを着ていた。

やっぱり助けてくれたのは彼だったんだ…。
あなた
あの…!
私の声が誰もいない廊下に響き、彼が足を止めて振り返る。
あなた
さっきは助けてくれてありがとうございました…!
彼は私の目を見つめたまま、黙ってゆっくりと近付いてきた。


自分の心臓がばくばく音をたてているのが聞こえる。




ここまで走ってきたからだろうか、

もしくは、

彼の綺麗な瞳に吸い込まれそうになったからだろうか…。
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
怪我はないか…?
あなた
えっ…あっ、はい、
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
よかった。もう無茶するなよ。
あなた
はい…
想像していた以上に優しい声をかけられ、なんだか恥ずかしくなって視線を落とすと、彼のマントの胸辺りに紐が結ってあるのに気づいた。
あなた
あ、それって…
あなた
クィディッチのユニフォーム?
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
あぁ。これから練習なんだ。
あなた
そうだったんですね!
あなた
引き留めちゃってごめんなさい、練習がんばって!((ニコッ
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
あ、ありがとう⸝⸝




ドラコ・マルフォイと話せた…!!
近くで見るともっとかっこよかった…!





私の興奮はなかなかおさまらず、午後はずっと思い出しては胸が高鳴っていた。
そんな状態のまま夕食の時間になり、ふわふわした足取りで大広間へ向かった。


後ろから抱きつかれるようにして助けてもらった恥ずかしさよりも会話できた嬉しさが勝り、つい口元が緩む。
セドリック・ディゴリー
セドリック・ディゴリー
なににやけてるの?
セドリック・ディゴリー
セドリック・ディゴリー
マルフォイとなにかあったのか?笑
片手に教科書を何冊か持ったセドリックが隣の席に座り、にやにやしながら私の顔を覗き込んできた。
あなた
べ、別に何もないわよ!
あなた
ちょっとしゃべっただけで…
フローレンス・ウィンダム
フローレンス・ウィンダム
しゃべっただけじゃないわ!
フローレンス・ウィンダム
フローレンス・ウィンダム
あなたったら、マルフォイと一緒に箒に乗って、バックハグみたいになってたのよ?!

いつの間にかフローラも私の正面に座り、パンを片手に必死な顔でセドリックに話していた。
セドリック・ディゴリー
セドリック・ディゴリー
バックハグ?、!
セドリック・ディゴリー
セドリック・ディゴリー
すごいなマルフォイ、初対面で…
あなた
違うわ、あれは事故よ!
あなた
箒をうまくコントロールできなくて壁にぶつかりそうになってたところを助けてくれたの。
フローレンス・ウィンダム
フローレンス・ウィンダム
でも相手はマルフォイよ?!!
フローレンス・ウィンダム
フローレンス・ウィンダム
あなたを助けてくれたことは感謝してるけど、お世辞でも優しいと言えるような性格じゃないことは確かよ
セドリック・ディゴリー
セドリック・ディゴリー
まあいいんじゃないか?今日のところは。
フローラの声がだんだん鋭くなっていることを察したセドリックが、顔をしかめながら場を収めた。
セドリック・ディゴリー
セドリック・ディゴリー
あなたを助けてくれたことだし。
フローレンス・ウィンダム
フローレンス・ウィンダム
まあ…そうね、。

フローラは不満そうにパンをちぎり、口へ運んだ。







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まあまあキリ悪いですが長くなりそうなので今回はここで終わります!



やっとドラコとの会話が書けて嬉しい~!!


でもあなたちゃんの恋、フローラちゃんは反対派のようですね💭ここからどうなっていくのかな…🫣



フローラちゃんの恋もちょっとずつ進めていくのでお楽しみに!

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