第6話

🍏₅
462
2022/10/24 10:33
あれから数週間。

寮も学年も違う、ということもあり、私はドラコと全く接点のない生活を送っていた。




せっかく話せたのに、またふりだしに戻った気がする…。



そんなことを考えながら、私は魔法薬学の教科書と羽ペン、羊皮紙を抱え、図書館に向かった。

先週、魔法薬学の授業でレポートの宿題が大量に出たのだった。

いつもならフローラと一緒にセドリックに教えてもらいに行ったり、宿題が出されたことを悟ったセドリックが誘ってくれたりするのだが、たまにはフローラをセドリックと2人きりにしてあげようと思い、セドリックの誘いを断ったのだった。



今頃2人は仲良く勉強してるんだろうな…


強がって「今日は1人でやる!」なんて言ったけど、



いざ教科書を開いてみると、ぜんっぜんわかんない。
あなた
こんなの無理ー!

控えめに声を出したつもりだったが、マダム・ピンスはこちらを見て無言で眉をつり上げた。



私は思わず深いため息をつき、教科書へ視線を戻した。




教科書の文字が全部どこかの国の言葉に見える……



あれ、なんだか眠くなってきた、かも……





…………………。




















私が再び目を開けると、目の前は教科書の文字でいっぱいだった。



あれ…?私ったら、いつの間にか寝てたみたい。



どのくらい寝ていたんだろう、なんだか体がほかほかする、と思いながら顔を上げ辺りを見渡した私は、隣に座っている生徒を見て思わず声を上げた。
あなた
ど、ドラコ・マルフォイッッ?!!!?
マダム・ピンス
マダム・ピンス
しーーーーっ!!!
あなた
あっごめんない…ッ

マダム・ピンスは鋭い視線をこちらに向け、眉もさっきよりさらにつり上げ、睨みつけている。
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
久しぶりだな

彼は分厚い本を閉じ、立ち上がった。
あなた
えっ、もう行っちゃうんですか、?
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
ん?あぁ、課題に必要な部分は全部読み終えたからな。


じゃあな、とだんだん離れていく彼の後ろ姿。


せっかく久しぶりに会えたのに、2人きりなのに、こんなのもったいない、!!!


がんばれ私!!!!!
あなた
まって…!


力が入っていたせいか思っていた以上に勢い良く立ってしまい、ローブのすそが当たったのだろう、机に置いてあった羊皮紙がばらばらと落ちてしまった。
あなた
わ……最悪。
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
おいお前…

彼は面倒くさそうにしゃがみ、落とした羊皮紙へ手を伸ばす。
あなた
あっ全然大丈夫ですよ、気にしなくて、!
私が急いで拾おうとすると、彼が羊皮紙を拾おうと伸ばした手と私の手が重なった。
あなた
あっ……

私は思わずひゅっと手を引っ込め、別の羊皮紙へと手を伸ばした。



羊皮紙を拾うのに精一杯、という感じを必死に出そうとしたが、私の顔はだんだん熱っぽく、鼓動は早くなっていくのを感じた。



あーもう!はずかしい!




ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
……ここ間違えてるぞ
あなた
へ…?
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
おできを治す薬に必要なのはニガヨモギじゃなくて干しイラクサだ。

いつの間にか彼は私のレポートを眺めており、それを見ながら小さく呟いた。


その羊皮紙をちらっと覗くと、私の小さな文字が2,3行並んでいた。

まだまだ未完成のレポートだ。
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
こんなのもわからないなんて。お前どんだけ
馬鹿なんだよ(フッ
あなた
…ッ!
あなた
苦手なだけよ!別に馬鹿じゃないです…!


私は彼の手から羊皮紙を取り返した。



さっきとは違う恥ずかしさを感じたが、それと同時になぜか嬉しさもあった。
あなた
拾ってくれてありがとう!
もう帰るんですよね?じゃあまた今度!

私は席に座り直し、教科書を広げた。
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
まあまあそう怒るなって。
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
そのスピードじゃ何年経っても終わらないぞ?
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
特別に俺が教えてやるよ
あなた
え…?!!ほんとに!??
鼓動が再び早まった。


まさかこんなことになるなんて…!
あなた
じゃあ、お願いします…!





















……………
あなた
終わった~!!
あなた
間に合ってよかったわ、ありがとう!

彼の教え方はとてもわかりやすく、私も彼も、私1人でやるには何年もかかると思っていた課題はいつの間にか終わっていた。
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
終わって良かったな、そろそろ夕食の時間か?
あなた
そうみたいね

周りにいた数少ない生徒も本を返したり荷物をまとめたりしている。

時計を見るともうすぐ18時になろうとしているところだった。


私も彼も、広げた本や教科書、羊皮紙を片付けた。


ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
…そのまま大広間に行くなら、一緒に行かないか?
あなた
……えっ?
一瞬時が止まったかのように感じた。


今、彼はなんて…、


私の耳が間違っていなければ、「大広間まで一緒に行かないか?」と言ったはずだ。



図書館で勉強を教えてもらえただけで心臓が爆発しそうだったのに、ここから大広間まで行くなんて、もはや現実と夢の区別ができなくなりそうだった。
ドラコ・マルフォイ
ドラコ・マルフォイ
嫌だったら別に構わない。⸝⸝
あなた
いや、あのっ、
あなた
もちろんです…!!一緒に行きたい、!


私は机の上を片付ける手を早めた。








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今回はドラコとの会話シーンが多めでしたが、いかがでしたでしょうか…!!


ドラコ2年生×あなたちゃん1年生なので、敬語も混じりつつタメ口も混じりつつな"先輩×後輩"の会話感が伝わっていたら嬉しいです!



更新のろのろですが、気長にお待ちいただけると幸いです🥱

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