大きいく 真っ白な外装の病院についたら
バイクを停めて 院内に入る
やっぱりと言うべきか
荒れてんなぁ、 上からは患者なのかヒステリックに叫んでいる声が聞こえてくる
そんなことは気にとめず俺はエレベーターに乗り込む。
13階に上がり1番奥の病室に眠っているのは
俺の愛しい
「雪華。」
分かっていたけど呼んでも返事の声はなく、
悲しく機会の音が変わりに返ってくるだけだった。
白磁のような肌に対称的な黒く艶のある髪は雪華の魅力だ。伏せている睫毛は長く影をつくっていた。
か細い腕から点滴らしきもののホースを引き抜く 。
そこからは赤い血がぷくり、と浮き出てくる。それさえも綺麗で__それを舐めとる。
随分と痩せてしまった雪華は抱きかかえれば、ふわり、と浮きそうな軽さ。
「いまから、連れて行ってやるからな」
そう言えば少し雪華の手が動いた気がした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。