着替えて、アイツとお揃いと靴をはいて
外に出る。
玄関の鍵を・・・いや、いらないか。
俺はもうココには戻ってこないし
やっぱり外に出れば音は大きくなる
うん。うるさい。
アイツの好きな音楽をイヤホンに流す。
それを耳にはめれば周りの音はシャットダウンされる。
そのまま下に停めてある 自分のバイクに跨る
真っ黒なペイントの車体はアイツのお気に入り。
ハンドルを捻れば大きなエンジン音が駐車場に轟く
「よしっ、行こう」
出来る限り速く
アイツのいる病院へとバイクを走らせる
幸い道路の真ん中に邪魔なモノはなくて安心する
まぁ端っこにはちょいちょいと何かはあるけど
どうでもいい。
そう思い、ハンドルを思いきり捻る
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。