第4話

4話
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2019/08/11 06:12
(正気なのか?)

正直自分で言ってそれは無いだろと後悔していたところ笑顔でいう彼女をみて俺が誘っておいて言うことではないがびっくりした。



あなた「私ね、ちょうどお腹すいてたんだ」


こいつは俺がヤバいやつとか誘拐犯とか変態とかそういうことは考えていないのか。


俺が戸惑っていると彼女は1人でニコニコ話し始める





あなた「……でもね、ゴーヤだけは嫌い」



どこから聞いてなかったか忘れたが気づいたらなぜかゴーヤの話題になっていた。

あなた「ちょっと!聞いてますー?」


首を傾げて言ってくる


「あ、ごめんごめん」

俺の頭は今パニックすぎて1人脳内会議が開かれていた


まず何を話せばいいんだ?

というか自己紹介しないといけねえよな。

ほんとに彼女大丈夫なのか?

てかカフェの場所決めてねえし。


色々考えた末出てきた言葉は



「俺もゴーヤ嫌い」



絶対今いうべき事じゃなかった。

言った瞬間にわかった
訂正する余裕なんてなく

「そういや、この辺に有名なカフェあるからそこにする?」

と付け足した


あなた「うん!!」


それから少し歩いた。

歩いたといっても歩いているのは俺だけ。







彼女は車椅子に乗っていた





初めて会った時も大きな本を車椅子の上で広げて読んでいた。



どうして車椅子に乗ってるのだろうか…

事故だったり病気だったり何かあったのには違いない。


きっと彼女はこんなに明るく振舞っているけど色々乗り越えてきたんだろうな




俺にできることないかな





俺にできること…




少し考えたが今事情を聞くのは失礼だし、何か変に向こうに気を遣わせてもいけねえ。


俺は何も言わず車椅子をおすことにした。


これが俺が今できる1番のことだろう。




あなた「へへ。すみませんありがとうございます」






照れているのだろうか


さっきまでたくさん話していたのに急に彼女が敬語で一言そう言って黙ってしまった




「おう」




なんか俺まで照れるじゃないか。




ーカラカラカラー



車椅子をおす音だけが鳴り響いていた

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