第132話

番外編 二周年記念
837
2022/05/19 15:00
『悪夢』
マリア:え?今日はリヴァイ兵長とハンジさんいないの。

兵士:はい。中央に呼ばれたらしくて、、

マリア:あり得ない。壁外調査中に団長と兵長を呼ぶ馬鹿がどこにいるの。

兵士:す、すみません、、

マリア:あんたに言ってるわけじゃない。で?2人から伝言とかないの。

兵士:ぁ、、団長からなのですが、『待機』とのことでした。壁外にいるので、くれぐれも巨人に見つからないようにと、、

マリア:分かった。じゃああんたは他の小隊に伝えていって。ここにいる兵士には私から言うから。

兵士:ありがとうございます!失礼いたします!
伝言を伝えにきた兵士は馬に乗り、私に言われたように近くの小隊へと向かっていった。

同じ場所にいたエレンやミカサ、アルミン、ジャン、サシャ、コニー、その他数十人に、ハンジさんからの『待機』という言葉を伝えた。

きっと2人が帰ってくるのは早くて数日後。

ウォール・シーナまで行ってるんだから、私たちはそれまですることがない。

ハンジさんの言葉を伝えると同時に、立体機動装置を外しても良いという許可を出した。

その数分後だった。
コニー:な、なぁ、、足音聞こえねぇ?

サシャ:そうですか〜?私は何も聞こえません!あ、いや、さっきからお腹の音が、、

ジャン:そうじゃねぇよ!!音は聞こえねぇけど、、地面が揺れてる感じがするにはする。

アルミン:まるで、、大量の巨人がこっちに向かってきてるような、、

コニー:お、おい!怖いこと言うなよ!

ミカサ:でも、、感じる。嫌な気配が近づいてきてる。

エレン:俺もそう思う。マリアさんに聞いてみるか。

ジャン:え、ちょ、

エレン:マリアさーん!!なんかコニーが足音聞こえてるって言ってるんですけど、マリアさんも聞こえますかー?

マリア:、、、、、

アルミン:マ、、マリアさん?

マリア:総員!!!直ちに立体機動装置の着用!!

皆:え?!?!

ジャン:ま、まさか本当に、

マリア:早く!!!数がっ、、とんでもない数がこっちに向かってる!!早く!!

皆:はっ、はい!!
私もすぐに立体機動装置を身につけ、待機していた建物から出た。

それと同時に、
兵士:うぁぁぁぁぁぁ!!!!!

ボキッボリッ
1番聞きたくない音が、そこら中に広がった。

誰かが、死んでしまった。
マリア:ぁ、、、ぁ、、、

エレン:マリアさん!!前、前!!

マリア:えっ、あ、、、
エレンの声で、自分の目の前まで迫っていた巨人から命拾いした。

なんで、どうして。

よりによって、どうしてハンジさんもリヴァイ兵長もいないときに。

再びどこからか死の悲鳴があがる。

もう一度周りを見てみれば、さっきまで数十人いたはずなのに、今では十数人しかいない。

私が出遅れたから、倒し遅れたから。

早く、早く倒さないと。

早く、殺さないと。

残っているのは知り合いと数人の兵士だけ。

何回も死戦を乗り越えてきた兵士だけ。

皆それぞれ巨人と戦っている。

私もある程度倒したが、何故か巨人は減らない。

私はまだ大丈夫だが、そろそろ体力に限界が近づいてきている兵士もちらほら、、勿論、知り合いの中にも。
エレン:なんでっ、、なんでこういうときに巨人化できねぇんだよ!!!!

ミカサ:エレン!!

コニー:ジャン!!そっちに巨人がっ、、

ジャン:分かってる!!

兵士:うぁぁぁぁぁぁ!!!
そんなときだった。

アルミンが、、アルミンが、巨人に潰されたのは。
マリア:ぇ、、、、

エレン:アルミン!!アルミン!!!

サシャ:もう、、無理、みたいです、、

ボキッボリッ
なんで。
コニー:ジャン、、俺、死ぬわ、、

ジャン:ハッ、お前と同時ってのが気に入らねぇけど。

ボキッボキッ
お願いだから、待って。
ミカサ:エレン!!お願い、エレン、アルミンのことは、安全になってから、、

エレン:アルミン、、なんで、お前、、

ミカサ:エレン!!!
ミカサは走った。

エレンを守るために。

ミカサは覚悟したのだろう、自分とエレンが死んでしまうことを。

ミカサはエレンが好きだ。

ミカサは最期に、、、エレンを後ろから抱きしめた。

気付けば2人とも血塗れだった。

巨人の血なら蒸発するはずだが、その血は消えることはなかった。

果たして私はどうだろうか。

私には、傷一つついていない。

皆囲まれていた。

倒しても倒しても群がってくる巨人たちによって、近づくことができなかった。
マリア:私、、1人?
周りには巨人も、生きている人間も、私以外誰1人としていなかった。

そんなときだった。

早馬が来た。

そこに乗る兵士は、この惨劇を見て顔を青くしたが、真っ直ぐに私のところへ来た。
兵士:うっ、、

マリア:、、、

兵士:っ、、政府、からの、、伝言です。調査兵団団長ハンジ・ゾエ。調査兵団兵士長リヴァイ・アッカーマン。調査兵団解体に強く反対したことにより死刑に処された。2人の死刑の代わりに調査兵団解体は無くなったが、次の調査兵団団長はマリア・グレイとのこと。直ちに王都へ向かい手続きを、、
そこからは何も聞こえなかった。

ハンジさんとリヴァイ兵長が、、死んだ?なんで?

私、本当に、、独りぼっちになっちゃったの?
マリア:ハッ、、、はぁ、はぁ、、え?ここ、、、
私の目の前に広がっていたのは、雄英の寮の自室だった。

外を見れば、少し明るくなっている。

早朝か。

ふと顔に何かが流れているのに気付き、触ってみると、、それは涙だった。

あぁ、あれは夢か。

本当に、良かった。

私は、部屋を出て、寮の外に向かう。

汗もたくさんかいていたからか、外の風が少し肌寒く感じる。

誰もいないこの空間は、先程の夢を再度思い出させるのには十分だった。
焦凍:、、、マリア?

マリア:ぇ、、、

焦凍:どうしたマリア?!なんで、、どうして泣いて、、

マリア:っ!!
泣いて、、だと?

私はまた泣いてしまっていたのか。
焦凍:どうしたんだ、、?怖い夢でも見たのか、、?

マリア:!!
止められなかった。

焦凍の優しい言葉に、涙を止めることはできなかった。

夢の内容を全て話した焦凍は、静かに私を抱きしめた。
焦凍:もしかして、、俺がいなくなっちまうって心配してんのか?

マリア:っ、、

焦凍:大丈夫だ。俺はぜってぇ、、マリアから離れないから。