第4話

爆豪くん、こっち向いて!
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2020/05/15 12:58
今日は雄英二日目。昨日格段に仲良くなった私達1年C組は一緒に登校している____はずなのに。
『まさか、同じ駅の人が広人しか居ないなんて…』
間「そう落ち込まないでよ、傷つくから」
『しかも朝迎えに来てるし。ホントにびっくりした…』
間「昔からあなたって方向音痴だったから心配になってさ」
『学校までの道くらい覚えてますー』
間「っていうかあなたブレザーどうした?」
『あっ!忘れたっ、どうしよ…』
間「………大丈夫?頭」
『ヴッ、大丈夫だもん!!広人の馬鹿っ』
間「…あなたって仲良くなると態度変わるよな」
『えっ、うん、だって人見知りしてるときは警戒心むき出しだもんね』
間「そっち結構好きなんだけどなー」
『普通の私は好きじゃないのか広人はっ』
間「くくっ、好きだよ、色んな意味で」
『それ勘違いされるから人前では言わないでよ』
間「は~い」
______
~電車内~
ツンツン
間「なに?」
『ねぇ、さっきからずっと気になってたんだけどさ、あそこに居るの爆豪くんじゃない?』
間「あ~、駅から雄英の制服着た人居るなぁって思ってたらあれが首席の爆豪勝己なんだ」
『えっ!首席なの?!』
間「そうそう、凄いよな」
『私昨日ツンツン頭とか言っちゃったよ?!どうしようホントに殺されるかもっ…』
爆豪「全部聞こえてんだよてめーら」
『ひぃやぁぁあっ、ばば爆豪くん』
間「落ち着けあなた、彼は人間だ」
爆豪「お前には俺が何に見えてんだ?アァ?」
間「電車内だから声は抑えるんだ爆豪くん」
『ね、いい人だなぁ』
爆豪「黙ってろクソモブどもが」
間「ねぇそういえばさ」
爆豪「聞いてんのかゴラ」
間「爆豪くんって◯◯駅から通ってるの?」
爆豪「だったらなんだ、アァ?」
『い、一緒だね!!』
爆豪「爆ぜろ頭花畑女」
『…広人助けて』
間「いいよ、誰から遠ざけていく?」
『嘘うそ、嘘だよ?!広人顔怖いよ?!!』
爆豪「オイ没個性、遠ざけるってどういうことだ?」
間「僕の個性は間。人と人との距離を遠ざけたり近づけたり出来るんだ。もちろん心の距離もね」
『だから広人に嫌われると結構怖いから…気をつけてね、爆豪くん(コソッ』
間「あなた、聞こえてるから」
『ごっ……ごめんなさぁぁい!!』
爆豪「オイここ電車内だ馬鹿女!!静かにしやがれ!!」
間「うん、爆豪くんもね」
もちろん私達は電車にいたおじさんにこっぴどく怒られたのであった。
『こ…グスッ…怖かった…』
間「お前ホント怒られ慣れてないよな、すぐ泣くし」
『泣きたくて泣いてるんじゃないもん…ヒック』
爆豪「てめぇが泣く度にジジィの話が長くなっただろふざけんな!!」
『ぅ…ごめんね爆豪くん……』
爆豪「っ……」
間「あっ、爆豪くんもしかして萌え」
爆豪「黙ってろ腹黒がぶっ殺すぞ?!」
間「君に僕は殺せないね~、だって間開けたら近づけないもん」
爆豪「ならぶっ飛ばす」
『やめて爆豪くん……ヒック…これでも大切な幼馴染みだから…』
爆豪「………ぶっ潰す」
間「矛盾してないかな?」
上鳴「あれっ、爆豪じゃん、珍しく遅いな」
『…あっ!上鳴くん!!』
上鳴「おっ、色絵…っては?!何泣かせてんだ爆豪!!」
爆豪「俺じゃねぇよアホ面!!」
上鳴「えっ、そうなの?」
『上鳴くんおはよう、今日も良い天気だね』
上鳴「お…おう…」
全員(色絵話すらっと変えたな?!)
『あっ、そうだ爆豪くん!』
爆豪「んだよ」
『こっち向いて!』
爆豪「おぃ…」
フニッ
爆豪「?!」
上鳴「むうぉぉぉぉ!!」
間「?!?!?!?!」
『やっぱり!笑うと凄く格好いいよ、爆豪くん!』
私がそう言って笑うと、
爆豪「……アホが」
爆豪くんはそう言いながら、私の肩に着ていたブレザーを、乱暴だけど優しく、掛けてくれた。
上鳴・間「(ブレザー忘れて(作者はよくやります笑)寒そうにしてたあなたにさりげなく自分のブレザーを…!)」
『爆豪くん……ありがとうっ!』
爆豪くんは振り返らずに手をポケットに突っ込んで歩いて行ってしまった。
『私…爆豪くんに悪いことしちゃった…?』
上鳴「えっ?!」
『だって、目も合わせずにいっちゃった…今度会ったら謝ろう』
上鳴「いや、爆豪は怒ってるわけじゃ…」
『あれっ、広人は?』
上鳴「そういえばさっきの人居なくなってるな、広人って言うんだ」
『どこ行っちゃったんだろ…?』
______
間広人side
「っ……せっかくあなたと同じクラスだってのに…なんであいつ、ヒーロー科の男子ばっかと仲良いんだよ…」
俺は、校舎の裏の人気の無いところで一人しゃがみ込んでいた。
「あいつは昔から……自分のこと好きな奴の好意には全く気付かないんだから……」
『広人ー!?』
あいつの呼ぶ声が聞こえる。
「そろそろ戻らなきゃな……」
ったく…対して美人じゃないし、モテる訳でもないだろうあなたに…なんで俺はずっと恋してんだよ……
俺は観念して校舎裏を出て、あいつに気付かれないように、さっとあいつの後ろに立つ。
「わっ」
『ひゃっ!』
『もー、びっくりしたじゃん!』
「ふふっ、まったくチョロいなぁあなたは」
あなたのただの、幼馴染みとして。

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