第11話

蘭竜くん2
1,202
2019/11/11 06:04
作者
作者です!
えっと、今一年C組書いてるんですけど、
恋愛見たいんだよオリキャラどうしなんて興味ないんだよーー!!
という方は、少し待っていただけると嬉しいです!
頑張って蘭竜編終わらせて恋愛書きます!
作者
本当に気まぐれな作者ですみません…、でも頑張って主人公をくっつけますので、これからもよろしくお願いします!
作者
では、本編へ…!
______
『ひ………!』
蘭竜「やはり気付いてなかったのか」
『……っ…、……………?!』
鬼は此方を向いたと思うと、急に走り迫ってきたのだ。
『(蘭竜くんは…全然戦おうとしてない!!)』
『(くっ……!)』
ガン!
『っ……!』
出したのは盾。小さくてシンプルなものだから、今にも鬼が壊して私を捕まえてきそうだ。
『(ぅ…っ、力が…強い!)』
今にも倒されそうになりながら、持っているペンでさっと剣を描くと、右手の人差し指を触れさせ、三次元化する。
しかし、その隙を突かれて押し倒される。
『ひっ…!』
鬼が私に馬乗りになった。
『う……っ』
手からすり抜けてしまった剣をつかもうとするも、その手は空をつかんだ。
『(もう、だめだ……!)』
鬼が手錠を私にかけようとその真っ赤な手を振り上げた瞬間だった。
バッ!!
視界が、紫色に染まった。
途端、体が軽くなる。
「ったく
これだから弱ぇ奴は嫌いなんだよ
まぁヒーローのが嫌いだが」
蘭竜くんの手に、するすると戻っていく藍色の竜。
数メートル先に吹っ飛ばされた赤い鬼。
その時私は、蘭竜くんの強さを思い知ったのだった。
_______
『蘭竜くん…、ありがとう』
蘭竜「ペアが捕まったら点数さがると思っただけだ、助けたわけじゃない」
『……ごめん』
蘭竜「それより、こいつ拘束しろ」
『はい』
蘭竜くんに言われたとおり、出したロープで気絶した鬼の手足を縛った。
蘭竜「これで高得点になんだろ、そこの監視カメラから先生見てんだろうから」
『うん…、そうだね』
蘭竜「お前は違ぇだろ」
『えっ』
蘭竜「お前は鬼に押し倒され、俺に助けられ、俺の言うとおりに動いただけだ」
『…………』
蘭竜「ぼーっとしてんな、行くぞ」
『…………ない』
蘭竜「あ?」
『ぼーっとしてない…、今は』
『蘭竜くん、私にチャンスをくれたんだよね?“弱い“っていうレッテルを剥がすための』
蘭竜「………」
『ちゃんと気付けたよ』
蘭竜くんが視線を右に向ける。
表情は変わらない。
そこから現れたのは、鬼。
先ほど捕まえたのとは違う、青い鬼だ。
『蘭竜くん、次は二人で戦おう。私、頑張る』
私はそう言って、壁から剣を出す。
さっきとは違い、工夫を凝らした剣だ。
蘭竜くんも、手からあの藍色の竜を出す。
私達はまっすぐ青鬼を見つめた。
先に動いたのは私。青鬼に駆け寄って、一気に間合いに攻める。
届く距離まで詰めて、剣を振りかぶる。
次の瞬間、私は剣を振り下ろさず、後ろへ飛び退いた。
すぐさま蘭竜くんの竜が鬼の腹に飛び込む。
『よしっ……?!』
数メートル先に吹っ飛ばされたはずの鬼が、むくりと起き上がり私に迫ってきたのだ。
『(もう焦らない!)』
私は構えを素早く整えると、タイミングを計って高めに飛び、鬼の頭に跳び蹴りを食らわすと、剣の“電流スイッチ“をONにして鬼の首筋にゆっくり当てた。
ぐぁぁぁあぁぁ……
廊下に鬼の苦しむ声が響き渡る。
しばらくそのままにしたあと、私は鬼の首から剣を離し、スイッチをOFFにした。
『蘭竜くん、やったね!』
蘭竜「それより拘束だ」
『は、はい!』
ギロリとにらまれて声が裏返る。
『ふっ、と…拘束出来たよ』
蘭竜「行くぞ」
『うん』
『(…蘭竜くん、前よりも話してくれるようになった)』
『(これからも、ゆっくりでも仲良くなれるといいな…!)』
蘭竜「(あの鬼…あいつの攻撃は効いたのに、俺の攻撃は効かなかった)」
今回の授業で二体の鬼を拘束した優秀なペアは、
真反対の表情で牢屋がある体育館に戻ってきた。
______
和香「すごいね、あなたちゃん!!入学式に続いて、今回も活躍するなんて」
『う、ううん!どっちも私じゃなくて、ペアがすごいんだよ』
瀬川「そんなことねぇよ、お前の個性すごいぞ」
『そうかな?ありがとう瀬川くん』
角田「そうだ!蘭竜個性見せたか?」
『えっ?』
角田「ほら、みんなで見せ合いっこしたとき、蘭竜くんいなかったじゃん」
『そういえばそうだったね。蘭竜くんの個性すごかったよ』
和香「そうなの?見てみたいなぁ」
水沢「うちも」
角田「蘭竜に頼んでみよーぜ!」
瀬川「そうだな!」
『あっ…でも…蘭竜くんが、みんなに見せる…って言うまで、待ったほうがいいんじゃないかな?』
気付いたら私は、こんなことを口走っていた。
瀬川「…それもそうだな、じゃあ帰ろうか!行こうぜ、水沢(同じ駅)」
水沢「うん」
角田「俺らも帰ろーぜ」
髪野「おう」
和香「じゃあ私も帰ろう、バイバイあなたちゃん」
『うん、バイバイ』
間「あなた、帰ろう」
『広人!もしかして、待っててくれたの?』
間「まぁね」
『ありがとう、じゃあ行こっか』
間「おう」
_______
『広人、今日怒ってる?』
間「何で?」
『今日、あんまり話しかけてくれないから…そうだとしたらごめんね』
間「別に怒ってないよ」
『よかった…、でも何かあったら言ってね』
広人の顔を覗き込んで、にっこり笑った。
途端、広人にほっぺをつままれ、顔をそむけられる。
間「やっぱりあなたのせい」
『えぇっ!ごめん、私何した?』
間「あぁぁぁもうっ、いいだろ、置いてくぞ!」
『えっ!待って~!』
No Side
二人が走り出したとき、すぐそばの電柱の後ろから影が出てきた。
蘭竜「…………………」
なんとも言えない顔をした彼は、考えるのをやめてイヤホンを耳につっこんだ。
蘭竜「何だ、あいつ」
そんな言葉を残しながら。






二人が走り出したとき、一つの影が路地裏へ隠れた。
爆豪「………………」
なんとも言えない顔をした彼は、考えるのをやめて、ヘッドホンの音楽をかけた。
爆豪「クソ、何だよ」
こんな言葉を残しながら。

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