第9話

紳士爆豪くん ※キャラ崩壊注意
1,303
2019/11/07 00:31
閉じた瞼に温もりが伝わってきて、私は更に涙を流した。
やだなぁ、人の前で泣くのは趣味じゃないよ。
爆豪くんを困らせてるよ。
涙を止めようと心の中でそう唱える。
普段はホントにヒーロー科なのって思うほど怖いのに、
本当に弱っている人には、必ず寄り添ってくれる。
私だけじゃない。
負担をかけちゃいけない…。
でも………
『泣いても、いいの?』
『私の、勝手な理由で、泣いて、爆豪くん、困るよね…』
私の精一杯の強がり。
爆豪「泣けっつってんだろ」
そんな強がりさえも、爆豪くんは簡単に包み込む。
『____ッ___』
その言葉に甘えて、私は。
静かにたくさん、泣いた。
_______
爆豪「落ち着いたか」
『っ、うん、ごめんね、いきなり泣いたりして』
私がそう言って顔を上げた途端、
ゴッ
『うっ…』
爆豪くんのデコピンがおでこに飛んできた。
『い、痛た…』
爆豪「ごめんごめんうっせぇわ泣き虫が」
思ったよりも静かな罵声に驚いて、爆豪くんの真っ赤な瞳を見る。
フニッ
『?!』
爆豪「ありがとう、だろーが」
『………っ……ありがとう』
頬に彼の手の体温を感じながら、
精一杯の笑顔で。
また一筋涙が流れたけれど、それは温かくて。
驚いている光己さんと、爆豪くんに見送られながら、私は家に帰った。
______
『ただい…』
母「遅い!今何時だと思って…って、泣いて…!何されたの?!」
母の剣幕に圧倒されながら、私は微笑んみながら母を見上げた。
『…優しくされて、甘えて泣いてきちゃった』
母「何時間泣いてたの?!」
『30分くらい…、しっかり謝ってきた。光己さん、優しく許してくれたよ』
母「……ホントに、無理しないでいいんだからね、辛くなったら言いなさいよ」
『うん、わかってる』
心配性の母をなだめてお風呂に入って、ベッドにダイブした。
『(……今日はたくさん泣いて…、何だかすっきりしたな)』
『(明日また爆豪くんにあやま…じゃなくて、ありがとう言わなきゃ)』
うとうとしてきて、瞼が下がる。
『(爆豪くん……、普通科の私にも…、優しくして…くれるんだ…な…)』
気付かないうちに、私は布団にくるまってすぅすぅと眠っていた。
それからしばらくしたとき。
ピコンッ
あなたのスマホが鳴って、画面が映った。
爆豪勝己
爆豪勝己
大丈夫か?
爆豪勝己
爆豪勝己
…………おやすみ
そのメッセージは朝には送信が取り消されていて、
あなたが気付くことはなかったのであった。
_______
作者
本編読んでくださりありがとうございました!
作者
しかしすみません…、爆豪くんのキャラが完全に崩壊しました!ツンツンキャラ(超たまにデレ?)って難しい……
作者
まだまだ未熟な作者なので、爆豪が言いそうな言葉とか、言って欲しい言葉とかコメントしてくれると嬉しいです!
作者
バッシングでもかまいませんので、ご意見お待ちしてます!
作者
ではこれからもよろしくお願いします!

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