第24話

同じ場所
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2018/11/06 22:49
ユウトは何も警戒せず、ゆっくりと歩いた。














全ての感情を隠して……。













少し歩いてユウトは後ろを振り向いた。















『進んでない……』

















数歩歩けば、また同じ場所に戻される。













その繰り返しだ。









まるで、誰かに"行くな"と止められているように……。












それでも、ユウトは諦めずに歩いた。














十分経って、ユウトは座り込んだ。












『誰だ……?』











どこからか、睨まれている気配がした。












唯一の希望まで奪われてしまった。














もういいか……。












『誰かそこに居るんだろ?俺を殺したいなら殺せばいい』











ユウトが放った言葉に恐怖は感じなかった。













『お前のせいで僕のお母さんと妹が死んだ!何で、何で守ってくれなかったんだ!!!』










崩れかけているビルの上に少年が立っていた。














『憎いなら、俺を殺せばいいだろ……』












ここで死ねるのかな……。










いや、殺してくれない気がするな…。






『僕はそんな事出来ない!だからもういいよ…でも、覚えとけ!僕は生まれ変わってもお前を許さない!』

















そう呟くと、少年は飛び降りた。














俺は咄嗟に少年を助けようとしたが……














『ヒーローなんて居ないんだ……』















その言葉を聞くと、何故か動けなくなってしまった。























『ごめん……』












俺はそう呟き、瞼を下ろした。



















その瞬間、大きな音が聞こえた。



















辺りが静まり、俺はゆっくりを瞼を持ち上げた。





















『これで良いんだ……きっと……誰かがこの世界救ってくれる……』












俺は自分に何度も言い聞かせた。












































その後、俺は少年を小さな女の子とそのお母さんの隣に静かに移動させた。
















そして、俺は振り返った。












『今度は誰だ?俺を殺してくれるのか?』













ユウトが振り返った先には、少女がいた。













その少女は藍に似ていた。








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