第20話

クロの怒り
277
2018/10/12 13:53
『藍!お前はこんな事する奴じゃないだろ!何してんだよ!』













俺は叫んだ。












藍は前とは比べ物にならないくらい変わってしまった。














『何言ってんの?これが本当の姿だけど?』











クロは上空から見下ろしながら俺に言ってきた。


















『違うだろ!』











何故か、俺はムキになった。












『うるさいなぁ!もう始めるよ!』












クロはそう言うと、攻撃を始めた。














俺は藍から授かった剣を地面に置いて、攻撃を開始した。












今は何を言っても意味が無いような気がした。











あれは藍じゃない。














藍に化けた何かだ。














『藍!俺はあの言葉が嘘じゃないって信じてる!』















俺がそう言った直後だ……!

















『ユウト!あの剣を使って私をころし……痛いなぁ……ねぇロク、藍の意識は全て消し去ったよね?』













「そのはずだよ」












ロクの声がクロの頭に響いた。












藍だ……!!











少し間だけど、藍が居た。













"あの剣で私をころし"










途中で藍は途切れてしまったが、続きは予想がつく。













きっと、"あの剣で私をころして"そう言いたかったんだろうな。















俺は少し悩んだが、剣を袋から取り出した。













剣を持っても、変な感覚にはならなかった。













『藍、その願いは俺が叶えてやるさ!』









俺は小さく呟いた。



































俺は藍が大嫌いだった。










藍だけのせいでこんな事になったんだ。













そう思っていたから。









でも、これは藍だけが悪いんじゃない。










俺も藍も皆、皆悪いんだ!







そして、その中でも一番悪いのはこの残酷なゲームを作った奴。


















『なぁ藍……いや、クロ!お前を殺してこんな地獄を終わらせてやる!』















俺はそう宣言すると、攻撃を開始した。















クロは俺の攻撃に集中しているようだった。












『君さ、その剣捨ててよ。その剣、嫌な予感しかしないんだけど?』












『ビビっているのか?……俺はこの剣を絶対に手放さない!』












そう言って後、俺は連続でクロに斬りかかった。











だが、その中でも一撃しかクロに当たらなかった。








その一撃も少し掠れただけだ。







『いってーな……何してくれてんだよてめえ!』













クロが大きい声で言った。











俺はクロの表情を見た時、ゾクッと怖くなった。















『ねぇこの傷はさ、修復しないんだよね…どうしてくれるの?』














クロは口以外笑っていなかった。















『ロク、もうイイよね?ユウトを殺しても』















クロは小さく呟いた。











「うん、もういいよ。全滅させてよ?クロの周りにいる奴。じゃあ、暴れておいで!」












『もちろん、全員殺すよ。手加減無しでね』











クロはそう呟くと、姿を見えなくした。










プリ小説オーディオドラマ