華菜side
後ろを振り向くと・・・
・・・!!
篠原君の姿が。
篠原君は、イケメンで、運動も勉強もできるというまさに王子様的な存在なのである。
驚くと同時に、私の頭の中には疑問符が浮かぶ。
なんでそんな人が私の近くに?
私は目立ちたくないから、極力篠原君には関わらないようにしてたのに。
私が篠原君と話すのは、挨拶の時ぐらいだよ。
私が棒立ちしていると、篠原君は続けて言った。
3人の不良達に向けて。
こんなにハッキリ・・・
でもどこか、スッキリする。
篠原君はそう言って、完璧な笑顔でプリントを手渡す。
が、顔面偏差値が高い・・・!
私は、思わず赤面してしまう。
こ、これは、、、不可抗力です!!
心臓がトクンと脈打って、少し胸が締め付けられる。
それは、苦しいけれど、どこかワクワクとするような、胸の高鳴りだった。
後で、篠原君が私の耳元でこう呟いた。
それは、篠原君にしては珍しく怒ったような声で、、、
低い、篠原君の声が私の耳にこだました。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。