第21話

21時間目
266
2020/12/31 00:09
「先生」というものは生徒の能力を伸ばすもの。学力に留まらず、人間性や社交性、コミュニケーション能力…しかし、根幹はやはり学力だ。それを軽視するクラスメイトに対し、怒りを抱くのは先生としては当然のことだろう。
しかし…学力を諦めていない私までこのお小言を聞かなければいけないというのは、どういう事なのだろうか。
成り行きを見守っていると、先生はビッチ先生と烏間先生に似たような内容の質問をした。要するに「敵に相対する時、手段はひとつで良いのか」ということだ。こんなこと、素人にもわかる。手数はあるに越したことはない。
すると、先生はぐるぐると回りだしやがて竜巻のようになった。竜巻から先生は語る。
殺せんせー
殺せんせー
第二の刃を持たざる者は…暗殺者を名乗る資格なし!!
そして、50位以内を取れと言う先生。ふむ、50位以内なんて楽勝だな。むしろそこから落ちたら私は恥じた方がいい。そうして解散となった…はずだった。
あなた

んで?先生、カルマくんと私になんの用なわけ?

殺せんせー
殺せんせー
貴方たちにとって、先程出した50位以内の条件は簡単でしょう。第二の刃の条件には相応しくない。なので、別の課題を言い渡します。
殺せんせー
殺せんせー
10位以内を目指しなさい。君たちにとって、手の届かぬ範囲ではない。
そう言って解散になった。カルマくんと共に帰路に着く。途中でジュースを買い、私は甘ったるいカフェオレを飲みながら駅に向かう。その道すがらいちごオレを飲むカルマくんに問う。
あなた

ねぇ、今から10位以内なんて取れると思う?

赤羽 カルマ
赤羽 カルマ
さぁね?取れるんじゃない?俺もあなたも。言われたのは突然だったけど、別に勉強するのは今日からじゃないんだしさ。

…ただ、理事長アイツが黙っているとは思えない。
あなた

確かにね。それでも、やるしかないか。

赤羽 カルマ
赤羽 カルマ
ふっ、やる気がないことで有名だった俺らが、殺せんせーの口車に乗せられて10位以内を狙ってるなんて…あの先生も妙だよね。
あなた

なんか…よくわかんないけどる気にさせるの、上手いヒト(?)だよね。

だから、絶対に取ってやる。10位以内を。そう決意をして電車に乗り込んだ。

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