4月になり、E組のぼろ校舎に向かう。1キロの山道はあまり運動が得意でない私にとっては一苦労だった。しかし、始業するとそんな苦労も吹き飛ぶ″もの″を目にする。
黄色く、巨大で…タコみたいな…生き物?もしかして、このE組が隔離校舎なのってこいつの為?え?E組ってこう言う所だったの?そもそもこいつ何?生きてるの?作り物?
あ、生きてる。いや、そこじゃないか。今年からってことはこの先生の為の隔離校舎ではなさそうで安心した。そぉっと周りを見てみると「(まず5,6箇所つっこませろ!)」と言う声が聞こえてきた。気がした。
防衛省とか言うところの人がなにやら話を始めた。この生き物を殺せ、最高速度がマッハ20、生徒に危害を加えないことを条件にE組の担任をやむなく承諾した…基本どうでもよくて聞き流していた。全員がそうだったのか、どうなのかはわからない。
大暴動になる予感…だったのだが、次の一言で全員が黙る事になった。
100億…A組の人間だって一生かけても手に入れることができるかどうか…。私を含め、全員の目の色が変わる。ところで、あの赤髪の少年が教室に居ないのが気になる。しかも、あの黄色い生き物のせいで自己紹介の時間は取られなかった。あの子…遅刻?体調不良とか?
居ないものをこれ以上考えても仕方ないか。別に取り急ぎ仲良くならなきゃ行けないとも思えないし、終業まで黙って席につき終業と同時に席を立つ。後ろから緑の髪の子と水色の髪の子が付いてくる。直ぐに道が別れるだろうと思っていたのだが、駅まで付いてきた。いつの間にやら緑の髪の子は居なくなっている。次の電車まで約10分。黙って気配を消していれば気が付かれないだろうと思っていたら、水色の髪の子が声をかけてきた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。