第13話

13時間目
314
2020/12/19 22:42
昨日は結局あの騒動の後、渚くんは本校舎に寄っていくと言っていたので山をおりるところまでしか同行しなかった。なのでそこで何があったのかは推測でしかないが…教壇の上に悪意を持って置いてあるのは、恐らくカルマくんの仕業だろう。
うーん、先輩を助けていた時と比べて…こう…随分変わってしまったように見える。
あなた

(あんな理由でE組に落とされたから、先生を恨んでいる…?もしそうなのだとしたら、このタコに対してこの態度はなにか間違っている気がする。)

しかし、だからといって大して彼のことを知りもしない私に何が出来るということも無い。大人しくタコが来るのを待った。
事業の時間、タコはドアを開けて入ってくる。クラス一同が沈んだ雰囲気になっているのを見抜き、どうしたのかと問いつつ教室を見渡す。教壇のタコに目が止まる。
赤羽 カルマ
赤羽 カルマ
あっ、ごっめーん!殺せんせーと間違えて殺しちゃったぁ。捨てとくから持ってきてよ。
タコは悪意と殺意が入り交じった声の主を見つめるとわかりましたと一言。
次の瞬間、カルマくんの口の中にはたこ焼きが。マッハ20の使い方間違ってない?大丈夫?
殺せんせー
殺せんせー
先生はね、カルマ君。手入れをするのです。錆びて鈍った暗殺者の刃を。
今日1日本気で殺しにくるがいい。その度に先生は君を手入れする。
その一言で、今日は波乱万丈になりそうだ…とクラス中が悟ったことだろう。

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