翌日、テストと対峙する。難なく問題を解いていく。次の問題は問11…
確か…いや、昨晩何度も見返したのだ間違いない。確実にこの問題は範囲外だったはずだ。先生が私には随分と先まで教えてくれたので解くことはそう難しいことではない。しかし、他のE組の生徒はどうだろうか?カルマくんは…?
しかし、他の人の心配をしていられるほど私の余裕もなくなった。全力で行くしかない。
テストの返却日。烏間先生は電話で本校舎の先生へと連絡をとった。
そう、やはり範囲は大幅に変更されていた。しかも3日前だそうだ。何がしたくてあの理事長はこんなことをしたのだろうか。更に理事長が教壇に立ったと。少なくとも本校舎から出てきたのは正解かもしれない。
その間、ずっと後ろをむく先生。これを読みきれなかったことを悔いている…その瞬間、隣から微かに殺気を感じた途端、ナイフが黒板に当たる音がした。
そう言って教壇にばらまいたテストの点数は全て高得点。98は割っていない。すごい、こんなに頭良かったんだ。
カルマくんがE組を出る気がないと宣言した後、私も前に進み出た。流石に教壇にばら撒くような無礼はしないけれど、テストの点数が先生に見えるように持つ。
さらにクラス全員からからかわれて、憤慨した先生はこの教室に残ることになった。なんだか、安堵している自分がいる。別に学校なんて大したところじゃなかったはずなのにな。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!