第22話

22時間目
253
2021/01/12 07:22
翌日、テストと対峙する。難なく問題を解いていく。次の問題は問11…
あなた

(あれ?この問題って…)

確か…いや、昨晩何度も見返したのだ間違いない。確実にこの問題は範囲外だったはずだ。先生が私には随分と先まで教えてくれたので解くことはそう難しいことではない。しかし、他のE組の生徒はどうだろうか?カルマくんは…?
しかし、他の人の心配をしていられるほど私の余裕もなくなった。全力で行くしかない。
テストの返却日。烏間先生は電話で本校舎の先生へと連絡をとった。
烏間惟臣
烏間惟臣
…これは一体どういうことでしょうか。公正さを著しく欠くと感じましたが。
そう、やはり範囲は大幅に変更されていた。しかも3日前だそうだ。何がしたくてあの理事長クズはこんなことをしたのだろうか。更に理事長が教壇に立ったと。少なくとも本校舎から出てきたのは正解かもしれない。
その間、ずっと後ろをむく先生。これを読みきれなかったことを悔いている…その瞬間、隣から微かに殺気を感じた途端、ナイフが黒板に当たる音がした。
赤羽 カルマ
赤羽 カルマ
いいの〜?顔向けできなかったら俺が殺しに来んのも見えないよ。
そう言って教壇にばらまいたテストの点数は全て高得点。98は割っていない。すごい、こんなに頭良かったんだ。
カルマくんがE組を出る気がないと宣言した後、私も前に進み出た。流石に教壇にばら撒くような無礼はしないけれど、テストの点数が先生に見えるように持つ。
あなた

10位以内、でしたよね。私たち。クリアしてますよ、範囲が変わっても。その知らせを受けていなくても。私はあなたの授業を受けるためにこの場所にいる。で?その当のあなたは?

赤羽 カルマ
赤羽 カルマ
全員50位以内に入んなかったって言い訳つけて、ここからしっぽ巻いて逃げちゃうの?それってさぁ、殺されるのが怖いだけなんじゃないの?
さらにクラス全員からからかわれて、憤慨した先生はこの教室に残ることになった。なんだか、安堵している自分がいる。別に学校なんて大したところじゃなかったはずなのにな。

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