昨日と同じ、あのホテルの目の前。
そこには昨日のナヨンさんと全く同じ場所でサングラスをかけた目的の人が立っていた。
正直びっくりだよね、清楚系のイメージだったからサングラスとかかけるなんて思ってなかったし
他の人とは違う一段と艶立ちの良いその髪。私が初めて気に入ったこの黒髪。
この前は少し長い部類に入るその髪を下ろしていたのに、今日は少し高めの一つ結び。俗に言うポニーテール。
私服は私の予想通り大人しめ。柄物でなくシンプルな白のTシャツに黒のキャミソールワンピース。
自分の見せ方っていうか特徴っていうか...よく分かってらっしゃるな
昨日と同じように路駐して、彼女の元へ駆け寄ろうとすると。
私が扉を閉めた音で気付いたのか、パッと顔を上げてそのままナヨンさんと同じように顔を逸らしてしまって。
とりあえずミナさんに近寄ろうとすれば私が行くまでもなく、下を向きつつ駆け足で走ってくる。
その姿がなんか、なーんかペンギンに似ててちょっと笑っちゃった笑
私が顔を覗き込むと、目を見開いて突如固まったミナさん。
辿々しく感謝を述べたけれど、固まり続ける彼女に何かあったかと聞けば焦ったようになんでもないと言い車内へ。
あまりの焦りように少し驚いていると、距離感がおかしくなったのかどうか
コンッと音を立ててピラーに頭をぶつけた彼女は、頬を染めたまま恥ずかしそうにすみません、ありがとうございます...と。
...いやいやいやなんだそれ。可愛すぎだろ笑
そんなことを口や表情に出す訳にも行かず、サラッと大丈夫ですか?と受け流して自分も運転席へと戻る。
席へ戻れば当然いつもとは違う香りが鼻に入ってくる。
凄くほんのりとした、優しいジャスミンの香り。
想像通りではあるけど、なんだか優しすぎるその香りに私にしては珍しく緊張してしまう。
生真面目なのか、ながら運転はダメ!!と言いかけたその人を差し置いて、震える携帯を手に通話ボタンに触れる。
相手は誰かって?当然。"久しぶり"の意味をどこか勘違いしてるどっかの美人さんだよ
呑気なまた後でねの声を最後に、携帯を暗転させドアポケットに置くと、隣から気まずそうな声ですみません、と聞こえてくる。
一体どうしたことか、隣へ視線を向ければほんとに申し訳なさそうな顔で眉を八の字に曲げて。
なんでミナさんが謝るんですか?と聞けば、私が疲れてることを知らなくて時間を割かせてしまってごめんなさい。と。
...いや、ミナさんは私が誘ったからいいのに。
内容薄くてごめんなさい🥲
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!