終わった‥はずだった
彼女は死んでいなかった
だけど意識は戻らない
それから数ヶ月後
俺は転校をした
若葉にとって俺は
最低なやつ
俺は若葉のそばにいる資格もないし
若葉の最後の一言は俺を好きだった事実だけだもんな
あんなに苦しめて
‥最低な‥やつ
新しい場所で
新しい人生を
もう一度初めから‥
なんて‥若葉からしたらなんなんだろうな
「翔‥何言ってんの!翔らしくないよ!」
彼女ならいいそうだけど
俺の作った若葉だもんな
本当の若葉って誰なんだろうね
そして気づいたら社会人だった
部下の女の子は本当しっかりしてる
なんか懐かしいけど
記憶が蘇る
忘れようって努力しても
記憶の片隅に残っていた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。