高校は楽しいものだと思っていた。
兄達も楽しそうに学校のことを話してたから楽しいもんだと思ってた。
こんなんなら中学までの方が楽しかった。
唯一暇を潰せるのは悠といることだ。
あいつの思考はくるくる変わる。
悠にキレているのはハムスターの獣人、羽叢穗。
俺の言う楽しくないの理由であることを今、羽叢は言ってくれた。
中学までは草食系の獣人も肉食系の獣人も同じクラスで普通の学校生活を暮らす。
高校でクラスを分けるのは法律で決められている。理由は年頃の肉食系の獣人は狂暴に成りやすいという研究成果が出ているためだ。
狂暴に成る理由の1つは初めての発情期が大体の人が高校生のうちになるからだ。
俺は、狂暴に成るからと言って分けられるのが嫌なのだ。俺が何したって言うんだ?誰かに説明してもらいたいものだ。
勿論、俺と悠は肉食系の獣人であるため、草食系の獣人である羽叢とはクラスが違う。
何故かは解らないが羽叢は悠の事を毛嫌いしている節がある。
この光景を何度見れば卒業するのだろう?ってくらい見ている気がする。
俺は呆れていった。
羽叢は溜め息を吐き、手を顔に当て申し訳なさそうに呆れながら言った。
俺は悠の襟を掴んで引っ張った。
後ろからありがとう、と羽叢の声がした。俺は手を上げて気にするな、と言った。