第29話

29.
401
2020/07/25 10:31
※あなた目線です※





次の日
部室へ行くと

いつもの3人がいた






あなたちゃん!
昨日は会わなかったね


ンダホくんが話しかけて
ドキッとした




あ、うん、そうだね
人がいっぱいだったし
すれ違ってても
気づかなかったかも

って
適当に笑って答えた







まさかシルクがな…

マサイ先輩が呟いた






心臓がばくばくした







あ、そうそう
あの子と花火大会いましたね

モトキくんが話にのってきた



ンダホくんも

あいついつの間に
って感じだよなー




って
3人でわいわいと
シルクの話で盛り上がっていた






シルクは女の子と
いたんだーへぇー…


わたしも精一杯笑って
話を盛り上げようとした




ほら
あのマネージャーの子!
あなたちゃんも
見たことあるでしょ?




マサイ先輩が
わたしの目を見ながら
話かけてきた





あぁ、あの子か…
はいはい、わかりますわかります



そう言ったけど
声が震えた

手に汗もかいた
絶対に目も泳いだ



マサイ先輩の目を
見れなかった

見たら
悟られると思った






落ち着け、わたし








なんだか
急に心臓がぎゅーって
絞られた感じに痛んだ



(あの子と行ったんだ)

そう思うと
切なくなった





それから
部活はいつもどおりに終わって
モトキくんとンダホくんは
先に帰って行った






よし、俺らも帰るか!

マサイ先輩が
すっと立ち上がり
手を出した



…はい


そう言って
手を繋いで
部室をあとにした





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