※あなた目線です※
迷っていた
嬉しいはずなのに
何か引っかかるものがあって
返事を保留にしてしまった
マサイ先輩は
大丈夫、待ってる
って笑ってくれた
シルクに相談しようか…
相談?
きっとシルクは
好きなんだから
付き合えばいいだろ
って怒るんだろうな
引っかかることが何なのかを
わからなければ
マサイ先輩と向き合うのは
無理だと思った
その日のお昼休みに
バスケ部のマネージャーの
女の子にバッタリと会った
あ、
あの時はごめんね
ずっとコーヒーの件を
直接謝りたかった
大丈夫です
もう気にしないでください
それより
あなた先輩って
マサイ先輩と付き合ってるんですか?
聞かれてドキッとした
いや
付き合ってはないけど…
ドキドキしながら答えた
わたし
シルク先輩のこと好きなんです
だから…シルク先輩を1人に
してもらえませんか?
いつもあなた先輩が
隣にいる気がして…
…ごめんね
そんなつもりなくて
全然気も使えなくて…
いえ、こちらすいません
偉そうなことを言って
本当にごめんなさい
失礼します
女の子は
頭を下げていなくなった
あぁそうか
そう思うと
男女の幼なじみの距離は
知らないうちに
誰かを傷つけてしまうんだと
理解した
これをきっかけに
わたしは
マサイ先輩と
付き合うことを決めた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。