(やばい…。かなりやばい状況だ。)
この人たちに友達を売るなんて、絶対にしたくない。でも、どうしよう。
パァン!!
1人の男が私の頬を平手打ちした。ジンジンして痛い。その瞬間、私の中の何かが切れる音がした。
私は、バックにある紙パックの甘酒を思い出した。私は甘酒を飲むと酔う。でも、この状況を回避するために今は…飲むとき!
とりあえず手を話してもらわないと…
ピタッと頬にナイフを突きつけられる。
私はスマホを探すフリをして、甘酒にストローを刺した。そして口にした。
ダァン!!
そう言って男子生徒がナイフを上から振り下ろした。
ズジャ!!
男子生徒は持っていたナイフを落とした。そして力が抜けたように、腰をおろした。
私の左腕からは血が流れている。
二人が逃げようとした。その時
快里くんと知らない二人が居た。
私は酔いと貧血で意識がボーッとしてきた。すると、警察のサイレン音が近づいてきた。救急車のサイレン音もする。
(助かった…のかな…。)
私はその場に倒れた。
誰かが支えてくれたとも知らずに…。
―――――――――気づくと私は病院のベットの上に居た。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!