第4話

リボン
54
2020/05/02 10:25
私がいつも髪のつけている白いリボン。
それは、歌音ちゃんからもらったものだ。
       ~2ヶ月前~
歌音
歌音
かーなでちゃん!
奏
ん?
歌音
歌音
今日、誕生日だよね?
奏
あ、うん。
歌音
歌音
これ、あげる!
それは、大きな白いリボン。
奏
え…。
歌音
歌音
誕生日プレゼント!
歌音
歌音
つけて!
奏
う、うん。
そして、その次の日。
リボンのことなどすっかり忘れて、
いつものように登校した。
歌音
歌音
奏ちゃん。
奏
あ、おはよう、歌音ちゃん。
歌音
歌音
リボンは?
奏
え?あっ!
奏
忘れてた。
すると、顔はみるみる強ばった。
歌音
歌音
つけてないの?
奏
えっ、うん…。
歌音
歌音
ひどい!
奏
えっ?
文沙
文沙
どうしたの、歌音!?
歌音
歌音
奏ちゃんが、あたしのあげたリボンをつけてくれないの!
文沙
文沙
ええー!
奏
え、その、
文沙
文沙
ひどい!歌音、泣いてるじゃん!
歌音
歌音
うぇーん…
奏
え、ご、ごめん…
歌音
歌音
明日、つけて来る…?
奏
うん、わかった。
歌音
歌音
わーい(^o^)
歌音ちゃんは、すぐに笑顔になった。
歌音
歌音
じゃ、明日ね!
これまでも、
わりと私は、
権力のある人に従い、
媚びを売ることに抵抗があったけど、
この時に、
はっきりと感じた。
私は屈しない。
と。
奏
はぁ…
明日から、つけないことにしようか。
私は、リボンを外した。

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