あなたside
目を覚ますと、
私は全く知らない建物の中のベッドの上にいた。
一瞬目を疑ったけど…
声といい、顔の特徴といい、
間違いなくリュジンであることを認識した。
目尻に涙を貯めて、
私を強く抱きしめるリュジン。
これほど心が満たされる瞬間なんて、
これから先あるのだろうかと考えてしまった。
…私の目的は、もう果たせた。
ずっとここにいよう。
そうすれば…
ベッドから起き上がり、
隣の部屋に案内してもらうと…
…あの人、なんか見覚えあるな。
2年前…会ったかな。
サナさんと目が合った瞬間、
急にベッドから起き上がって抱きついてきた。
…まじか。
リスクを侵してまで、
人探しを手伝う必要なんてあるのか。
…あぁ、やっと思い出したわ。
あの時は雷雨の夜だったっけ。
そう言うと、やっと離してくれた。
ダヒョンさんにこの瞬間見られてたら…
今頃サナさん耳朶なくなってんぞ。
別室に連れてこられ、
リュジンの口から告げられた話の内容は
とんでもないものだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。