25年前____________________
(章ちゃんside)
随分懐かしい夢を見た。
俺の幼馴染。俺の初恋。俺の大事な人。
けど、そんな時間はとっくに過去形。
…にはなっていない。
今ではお互い28歳になって、仕事をして、それぞれ生活をしている。
あいつとは高校までずっと一緒やった。
けど、高校に入るとあなたは俺を避けた。
今日、あいつに会えるんやないかって期待をして、行くことに決めた。
そんなこと考える位、俺の中ではまだ終止符を打てていない。
背中を押され向かった先には、綺麗になったあいつがいる。
心臓が跳ねる。
『しょーちゃん』
もう何年も呼んでもらってなかった、俺とあなただけの名前。
『章ちゃん』でも無く『しょーちゃん』
嫉妬…?
もう、絶対離さへん
あなたのウエディングドレス姿を隣で見るのは
もう少し、先の話_______________
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!