あいつ、善逸が帰ってきた。
「ただいまぁ…疲れたー」
「!善兄…!!」
「お、あなたじゃん!!久しぶり!」
あなたが善逸に抱きつく。
黒い感情が、ふつふつと湧き上がる。
黒い感情を抑えるために、あなたを善逸から
引き剥がした。
「何するの炭治郎!!」
「何って、善逸疲れてんだぞ。ゆっくりさせてやれよ」
「えー…はぁーい」
すると善逸は俺の頭を撫でてきた。
「ありがとうな炭治郎〜」
「うるさい、手をどけてくれ」
反抗するように言ってみる。
善逸は
「連れないなぁもー」
とぼやいている。
ただの優しさじゃない。
ただ俺は、
あなたと仲良くしてる善逸を見たくないだけ。
そうしているうち、今度は善逸があなたの頭を撫でていた。
「あなたぁ〜炭治郎が連れないよ〜」
「あははっ」
触るな。
触れるな。
あなたに触らないでくれ。
ムカつく。
「おっ」
「…………早く休んだら?」
あなたの頭を撫でていた手を力強く掴み、
善逸を睨みつけた。
「そうだな〜じゃあ休もっかな〜」
…あんな、あんなやつのどこが良いんだよ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。