病院の屋上。
立夏の両親は、一命をとりとめた。
けど、意識不明のまま。
なんて、声をかけたらいいのか分からない。
あの時、私がかけてほしいと思った言葉は...
届くように、意識しながら息をゆっくり吸う。
私がそう言うと、立夏は驚いたような顔をした。
それから、静かに笑って、
と答えた。
...え?
私がそう言うと、立夏は無邪気に笑って、
と答えた。
なんか、可愛い...
びっくりした...
『意識回復しました!!』
私がそう言うと、立夏は笑って、
と答えた。
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私はそう言って笑う。
そういえば私、最近笑うようになったなぁ。
キーンコーンカーンコーン
先生にそう言われて、皆が席に着く。
転校生?どんな子かな...
あれ?今一瞬、九条さんの目が...
何かを恨むような目になった...?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。