第20話

ずっと、届きますように。
250
2019/03/14 14:45
『さよなら。私の大好きなひと。』























それだけで、充分だった。


言えた。ちゃんとお別れできた。


それだけで、良かった。




















なのに、やっぱり君はずるい。




















鮫島 梓
鮫島 梓
あお..い...?
え...?
鮫島 梓
鮫島 梓
全部、思い..出した...
鯨野 碧衣
鯨野 碧衣
ほ、ほんと?
鮫島 梓
鮫島 梓
ああ。
鮫島 梓
鮫島 梓
碧衣のさっきの顔、見たことがある。
鮫島 梓
鮫島 梓
こんな顔させない、って誓った。
鮫島 梓
鮫島 梓
なのに...ごめん。
梓は俯く。
鯨野 碧衣
鯨野 碧衣
謝らないで。梓は悪くない。
本当は、嬉しさでどうにかなりそうな手を、ぎゅっと押さえる。
鮫島 梓
鮫島 梓
ん。おわび。
梓はそう言って、腕を広げた。

「抱きついて。」

そう、言ってる。
鯨野 碧衣
鯨野 碧衣
じゃあ、お言葉に甘えて。
私は梓の腕の中に入る。


──────温かい。






すると、自然と涙がでてくる。
鯨野 碧衣
鯨野 碧衣
良かった、思い出してくれたっ...
嗚咽を必死に堪える。

──────私、泣き虫になったなぁ。
鮫島 梓
鮫島 梓
ごめんな、ごめんな、
梓は何度も謝りながら、私の頭を撫でる。

──────何か、安心する。


私は、涙目で梓を見上げた。

そして...
















ちゅっ...


















鮫島 梓
鮫島 梓
....え?//////
鯨野 碧衣
鯨野 碧衣
これで、おあいこ。
鯨野 碧衣
鯨野 碧衣
もう、忘れないでね?
私はそう言って笑う。

梓は、少し戸惑ってから、
鮫島 梓
鮫島 梓
ああ。約束する。
と言って、にかっと笑った。



やっぱり君はずるい。



その笑顔で、どんなときでも幸せに感じてしまう。
鮫島 梓
鮫島 梓
....好きだよ。碧衣。
鯨野 碧衣
鯨野 碧衣
/////
鯨野 碧衣
鯨野 碧衣
私も、好き。梓に負けないくらい。
鮫島 梓
鮫島 梓
////
鯨野 碧衣
鯨野 碧衣
////
二人して、赤くなってしまう。


それでも、幸せ。





















ちゅっ...






鯨野 碧衣
鯨野 碧衣
ん/////
鮫島 梓
鮫島 梓
さっきのお返し。
鮫島 梓
鮫島 梓
一応、ファーストだったんだぞ?
鯨野 碧衣
鯨野 碧衣
わ、私だって!
私がそう言うと、梓が笑う。

それにつられて、私も笑う。






















君が私の隣にいる。




























それが、私にとっての幸せだ。







*END*

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