中学の頃
私はいつも誰かと一緒にいた
"ヒロイン"だった
『分かるよ、その気持ち____』
『ッ……ごめんね、何も出来なくて』
友達に同情、共感して
恋愛だってして
本音を話した事なんて1度も無かった
でも中学2年の頃
親の都合で転校する事になった
正直嬉しかった
彼氏だった"攻略対象"と別れて
新しい中学では"モブ"として生きようって
新しい中学は
『龍騎中学校』
という
何ともイカつい名前の中学だった
友達なんて作らずに
静かに生きていたのに
違う
私は近くにいて欲しいんじゃない
離れていて欲しいんだ
なのに
どんどん警戒心が溶かされて
もう高校2年生____
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。