学園裏の森
おわー!本当にたくさん栗が落ちてるんだゾ。
これだけあればマロンタルト食べ放題·····ぐへへ。
早々拾って·····あいでっ!
ふな゛ー!!栗の棘が肉球に刺さったんだゾ!
素手で拾うのは無理そうだな。
拾ったものを入れるカゴかバケツも欲しい。
トング持ってきたから大丈夫。
あなた先輩ありがとうございます!
植物園にカゴとバケツもどっちもあるよ。
行ってみるか。
……………………………………………
植物園-温帯ゾーン
うわー、思ったより中広い。
これだけ広いと管理してる奴がいるはずだな。
手分けして探してみるか。
んじゃ、右に行く。
俺は左に。あなた先輩とグリムと監督生は
まっすぐ奥へ行ってみてください。
……………………………………………
なあなあ、コッチ来てみろよ。
なんかフルーツがたくさんなってる!
良い匂いなんだゾ〜!
見た事ない植物がいっぱいある…
珍しい植物もいっぱいあるからね…
そうなんですか…
!
監督生さん下!
えっ…!
──いって!
なにか今踏んだような…?
Σ( ̄ロ ̄lll)ゲッ!!
──おい。
人の尻尾踏んでおいて素通りとはいい度胸だな。
アンタここの管理人さん?
それにしては柄が悪いような·····
:(;*'ω'*):プルプル
( '-' )ノ)`-' )オイ!!!!!!
テメェなに笑って…
お前かよ…
私じゃ悪いんですか?
(・д・)チッ
こちとら気分よく昼寝してたとこだってのに
思いっきり尻尾踏みやがって。最悪た。
すみません…!
お前·····あァ、入学式で鏡に魔法が使えねぇって
言われた草食動物か。ふぅん·····。
スンスン·····
ヒィ·····か、嗅がれている…!
·····はっ。本当にちっとも魔力の匂いがしねぇ。
無抵抗の相手を痛めつけるのは気が
すすまないんだけどなァ。
うっ、なんだかわからねぇけど、コイツに睨まれると
背中の毛がゾワゾワするんだゾ!
レオナ先輩そこまでにしたほうがいいのでは?
お前は黙ってろ…
(#・ω・)むかぁ
このレオナ様の尻尾を踏んでおいて
なんにもナシってそれりゃねぇだろ?
気持ちよく寝てたところを起こされて機嫌が
悪いんだ。歯の1本も置いてけよ。
それか…そこにいるアイツでもいいけどなぁ( ≖ᴗ≖)ニヤッ
アイツって…もしかしてあなた先輩のこと…?
嗚呼…そうだ
何言っているんですか?
レオナ先輩…
えっ…
ユウ、あなた、早くずらかるんだゾ!
レオナさーん!
·····あ?
もー。やっぱりココにいた。
レオナさん、今日は補習の日ッスよ。
あ、あなたもいたんスね。
えっ、あぁ、うん
はぁ·····うるせぇのが来た。
レオナさん、ただでさえダブってんスから。
これ以上留年したら、来年はオレと同級生ッスよ?
あー、うるせえな。
キャンキャン言うんじゃねぇよ、ラギー。
オレだって言いたかないッス!
もー、やればできるのになんでやんないんスかぁ。
ほら、行くッスよ!
チッ·····。今度俺の縄張りに入る時には
気を付けろよ。草食動物ども。
コトコト
──ぷはぁ〜!!緊張したんだゾ!
なんなんだあの凄みのある管理人さんは!?
ライオンっぽい人だったね…
あっちにカゴがあったぜ〜。
·····2人ともどうかしたのか?
( ̄▽ ̄;)ハハ……
ちゃっとね…
(´・ω・`)?
ハッ、そうだ。栗拾い!いっぱい拾わないと
タルトの食いブチが減るんだった。
コワイ管理人さんの話は栗を拾いながらするんだゾ。
……………………………………………
学園裏の森
──────ってことがあったんだゾ。
いや、絶対ソイツ管理人じゃないっしょ。
落ち着いて思い出してみれば黄色いベストを
来てたから、アイツ鯖の寮のヤツなのだ。
さっきの人は管理人じゃないよ
ふな゛
ほらな言っただろ
鯖·····サバナクロー寮のことか。
もしかしてナイトレイブンカレッジって
不良が多いのでは·····?
( ̄▽ ̄;)ハハ……
「レオナ先輩…は不良ではないんだけどね…」
うし、かなりたくさん拾えたしこんなもんっしょ。
トレイ先輩のとこ持って行こーぜ!
にゃっはー!タルト楽しみなんだゾ〜。
……………………………………………
大食堂-調理室
お帰り。ずいぶんとたくさん拾えたな。
疲れた…
あなたお疲れ
これならでっけータルトが作れるんだゾ!
まあその分、これだけの量を剥くのは
大変だと思うが·····頑張れよ。
これ、全部か·····気が遠くなるな·····。
おかし作りは下ごしらえが大切なんだ。
「あ、そういえばリドルに呼ばれてた…」
へーへー、わかりました!
こーなったらとことんやってやろーじゃん!
元気いいね…アハハ( ̄▽ ̄;)
……………………………………………
だーっ!やっと裏ごし全部終わった!
腕が痛い·····
お疲れ様(*´ω`*)
あなた先輩全然疲れてない…
慣れてるからね…
はは。お疲れ。
苦労した分、きっと美味いぞ。
もう匂いだけでお腹いっぱいなんだゾ〜
このマロンペーストにバターと砂糖を加えて
最後に隠し味のオイスターソースを適量加える。
:(;*'ω'*):プルプル
オイスターソース!?
「ハモった…」
そうそう。カキからたっぷり出た旨味が
クリームに深いコクを与える。
この『セイウチ印のヤングオイスターソース』。
有名パティシエならタルトにこれを
使わないやつはいないぞ。
マジか·····かなりしょっぱいソースだよな。
でも確かにカレーにチョコ入れたり
するし·····アリたのかも。
((ʚ( ˙꒳˙)ɞ))プルプル
「もう我慢できない…」
·····プッ。アッハッハ!
嘘だよ。お菓子にオイスターソース
なんか入れるわけないだろ。
なんだよ!本気にしちゃったじゃん。
ははっ!ちょっと考えれば
ありえないってわかるだろ。
なんでも鵜呑みにせずに疑ってかかれってことだな。
教訓、教訓。
コイツ、優しそうに見えてさらっと
嘘をつくヤツなんだゾ·····
次に生クリームを·····あっ!
どーしたんすか?
お前たちがたくさん栗を取ってきてくれたから
調子に乗ってマロンペーストを作りすぎた。
混ぜる生クリームが少し足りないな。
僕、買ってきますよ。
学内の購買部で売ってますか?
あそこの購買部ほとんどなんでも売ってる
からあると思うよ
嗚呼…あなたのゆう通りあの店、だいたいなんでも
揃ってるから置いてると思うぞ。
ついでに他にも買い出し頼んでいいか?
牛乳2パック、卵2パック
アルミカップと果物の缶詰5つと·····
1人じゃ持ち切れそうにないな。
監督生、一緒に来てくれるか?
いいよ…
オレ様も行くんだゾッ!
もう粉をマゼマゼするの疲れた〜!
……………………………………………
おっ、帰ってきた帰ってきた。
随分遅かったじゃん。
それじゃ一気に仕上げよう。
……………………………………………
よし、最後に粉砂糖をふりかけてっと·····
完成〜!!
かんせーい·····。
どうしたのデュースくん(*´・д・)?
そっとしておいてあげてください…
分かった…?
俺が16年間信じてきたものは一体·····。
(´・ω・`)?
それにしても、お菓子作りって時間かかるんだなー。
メチャクチャ疲れたぁ·····。
おつおつ♪おっ、タルト完成した?
デコレーションかわいーね!
マジカメ映え〜ってカンジ♪1枚撮らせて。
ケイト…
あーっ!アンタ、今さらなにしにきたんだよ。
可愛い後輩たちが頑張ってるかな〜って様子見に
来たんじゃん。あはは、めっちゃ疲れた顔してるし!
慣れないことすると疲れるよな。
というわけで、疲れた時には甘い物だ。
出来たてマロンタルトを召し上がれ。
やったー!
( ̄▽ ̄;)ハハ……
みんな元気いいね…
ケイト先輩、やっぱり完成見計らって
食いにきただけじゃん!
まあまあ♪味見係ってことで。
ふわぁぁ…甘くていい匂いなんだゾ〜。
上に乗った栗がツヤツヤで、下のクリームが
フワフワだ!いっただっきまーす!
ンッ、やばっ
んまーい!
スゴい、店に売ってるやつみたいだ。
甘すぎず、それでいて濃厚なお味!
お口の中が栗畑なんだゾ〜!
それ、褒めてるのか?
(´∀`*)フフ
そだ。ねーねー、トレイくん、アレやってよ。
アレ?…ああ、アレか。
アレって?
お前たち、好きな食べ物はなんだ?
オレは、チェリーパイとハンバーガー。
オレ様はツナ缶なんだゾ。
あとは、チーズオムレツと、焼いた肉と、プリンと〜
強いて言えばオムライス、ですかね。
オレはラム肉のグリル・ディアボロソースかけ。
ん?あなたはいいのか?
うん…私はいいよ…
そうか…
それじゃあ、いくぞ。
·····『薔薇を塗ろう!』
…?これは?
ではマロンタルトをもう1口どうぞ。
ん?んんん?これは…
マロンタルトなのにチェリーパイの味がする!
ツナ缶の味だ!はぐはぐっ!
おわっ、今度はチーズオムレツ!
鶏肉のグリルに、はぐはぐっ
プリンの味なんだゾ!
面白いでしょ?コレ、女の子とお茶する時に
鉄板でウケると思わない?
あなた先輩も食べればよかったのに
いや、お腹が空いてなくてね…
そうなんスか
スゴいですね。味を変える魔法が
クローバー先輩のユニーク魔法なんですか?
正確には、『要素を上書きする魔法』だな。
味だけじゃなく、色や匂いなんかも上書きできる。
効力短時間しか持たないから
ドゥードゥルみたいなものだ。
だから俺はこの魔法を
ドゥードゥル、落書きって呼んでる。
トレイの『ドゥードゥル・スート』の魔法があれば
ツナ缶食べ放題も夢じゃねぇってことかぁ。
でもあまり魔法を使いすぎちゃだめだよ
なんでなんだゾ?
ん〜まだ秘密かな…?
意地悪なリドルの魔法なんかより全然スゴイんだゾ!
いや·····俺の魔法なんか、寮長の魔法に比べれば
子どものオモチャみたいなものだ。レベルが違うよ。
..........。
..........さ!今日はもう遅い。
タルトを寮長に渡すのは明日にして、寮に戻ろう。
「えっ、本当にもって行くの…?」
「止めたほうがいいのかな…?せっかくみんなで
苦労して作ったのに…」
明日は『なんでもない日』のパーティーだ
遅刻するなよ。
監督生、また泊めてくんない?
オレ、意地悪な先輩に寮に
入れてもらえないみたいだし!
あらー。棘のある言い方〜。
こらエース。あまり監督生に
甘えるのはよせ。
そうだゾ!今日も泊まるなら宿賃払え!
ツナ缶10缶!
えー!じゃあ野宿しろってのかよ〜
じゃあ、デュースもお目付け役として
監督生の寮へ泊めてもらったらどうだ。
副寮長の俺が外泊許可を出してやるぞ。
トレイくんってば、新入ちゃんに甘くない!?
いいなー。ね、監督生ちゃん
オレも行っていい?
ケイト/お前はダーメ/だめ。
ちぇ。さげぽよ。
じゃあ、監督生。うちのが2人も
邪魔して悪いが、明日までよろしくな。
わかりました…
明日は『なんでもない日』のパーティー。
絶対、この首輪を取ってもらうからな!
見てろよ、寮長。
..........。
……………………………………………
ハーツラビュル寮-談話室
ハーツラビュル寮生
『トレイ先輩、ケイト先輩!
ああよかった、やっと帰ってきてくれた!』
どうかしたのか?
ハーツラビュル寮生
『ハートの女王の法律第256条『夜8時過ぎに
蜂蜜入りのレモネードを飲んではならない』』
ハーツラビュル寮生
『に違反して寮生10人が、リドル寮長に
まとめて首をはねられてしまって·····』
……………。
ハーツラビュル寮生
『僕、もう嫌ですこんな生活!』
ハーツラビュル寮生
『わけわかんないルールでがんじがらめ·····
別の寮に転寮したい·····ううっ。』
·····もう大丈夫だ。今あなたが寮長と話をしてるよ。
お前たちは部屋に戻ってろ。
·····はぁ。じゃ、オレは女王様のご機嫌取りのために
お茶でも淹れてきますね。
悪いな、ケイト。
コトコト
紅茶よりハーブティーのほうがいいよ…
第153条で決められてるから…
あなた/ちゃん
今とても機嫌が悪いから…
そうか…
……………あいよ、オッケー。
ポタポタ
「ん?またインクの音…?」
……………………………………………
今回はここまでにします!
…めっちゃ長くなった気がする…
ちゃっといいかい?(^ω^)ニコニコ
Σ(っ゚Д゚;)っヒッ
今回ボク1回も出てきてないんだけど?
前言ったよね次出さなかったら首をはねるって…?
(^ω^)ニコニコ
Σ(っ゚Д゚;)っヒッ
「めっちゃ機嫌悪いじゃん!」
首をなね…
リドルストップ…
あなた…
首はねちゃ駄目だよ…(*^^*)
(。´-д-)ハァ-
分かったよ…
あなたちゃん!!
ありがとう!
えっ、別に…
では、さようなら(ヾ(´・ω・`)
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編集部コメント
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