『鏡よ鏡、この世で1番イケメンなのはだあれ?』
私とヨンフン以外いない静かな公園のベンチに腰掛けて、ヨンフンはぽつり。
『俺』
「白雪姫かよ」
鏡を手に、こちらを え、 と見る。
『だって本当のことじゃん、俺イケメンだし』
「ごめんその台詞100万回くらい聞いたよ、聞き飽きたんだけど」
このやり取り、何回しただろうか。
『そろそろ俺の魅力に気づいてもいいんじゃないか…?』
「そんなことしてる暇ありません」
私がズバッと言ったせいか、
ヨンフンは肩を落として落ち込む。
あ、心配しないで、これがいつもの流れだから。
「…やっぱりヨンフンイケメンだね!!世界で1番イケメンだよ!!(棒)」
『そうだろ、だって俺だもん』
果たしてヨンフンは私が棒読みで言っていることに気づいているのか…
気づいていたらテンション戻らないか。
「行くよ、今日宿題多いんだから早く塾行かなきゃ」
『おう』
ヨンフンのナルシストな性格はいつ治るのかな…苦笑
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!