─翌日
朝練,行きにく.
おはよ~ございま~す.
あ,まだ誰も来てないんだ.
準備とか,しとこ.
わ,あなた!?
早くない!?
あ,及川.
おはよ.
あ,うん.
おはよう.
及川こそ,早いね.
なんか,早く家出すぎちゃったみたい.
1人?
岩ちゃんは?
今日は別々.
へぇ.
......
だから無言は気まずいて.
あのさ,昨日の事なんだけど.
うん?
俺,どうすればいいかな.
......は?
なんで私に聞くんだよ.
私だって分かんないし.
間宮杏里が何をしたいのか.
好きにすればいいんじゃない.
私の事信じられないならそれでいいけど.
でも......
悲劇のヒロインとか,ださすぎ.
そんなの私はごめんだからね.
まぁ,私の居場所は他にもあるし.
え,どういう事.
さぁ?
そのうち分かるよ.
私は1人じゃないから.
強くて優しい仲間がいるから.
ここに居場所が無くなったってどうも思わないと思う.
─放課後
みなさん,昨日は本当にすみませんでした!!
おぅ.
怪我は大丈夫なん?
はい!!
う~わ.
何あの笑顔.
良い人ぶってやんの.
なんであなたは黙ってんの?
元はと言えばお前のせいだろ?
まっきー,どうしちゃったん.
さーせんした.
なんで謝ってるんだろ.
花巻さん,その言い方は無いでしょ.
は?
ちょ,国見ちゃん.
大丈夫だって.
あなたさんが良くても俺が良くない.
何も知らないくせに,よくそんな事言えますよね.
あなたさんは3年間あなた達のサポートしてきた人ですよ?
そんな簡単に裏切るんですね.
何,急に.
もういいって.
昨日のは私が悪かった.
本当にごめんなさい.
あなたさんっ!!
なんで......
ほら,もうすぐ大会でしょ.
私達3年にとっては最後の......
春高への切符,取るんでしょ.
白鳥沢に勝つんでしょ.
そうだよねっ!!
よ~し,練習しよ!!
だな.
杏里ちゃん,ちょっといいかな.
はい.
練習の邪魔にならないように水道の方へ行く.
あのさ,何がしたいの?
え......
私の事,気に入らない?
......はい.
先輩,邪魔なので,
マネージャー辞めてくださいよ.
なるほどね.
理由は分かんないけど,私嫌われてんのね.
あのさ,私の事をどう思うとかは勝手だけど,部員に迷惑をかけるのは辞めてくれないかな.
もうすぐ春高予選があるの.
私達の目標は春高に出場する事.
私達マネージャーがこんなんじゃ,部員達の練習に支障があるかもしれない.
春高に出場させたいなら,今から悪女になってください.
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