第10話

遭遇
2,479
2022/03/02 07:19
深夜1時、今私は探偵社から家に帰っている










これくらいの遅さで帰るのは最早日常と化していた










すると、古い倉庫から銃音が聞こえた




うん、何故こんなにも運がないのだろう












「最後は貴様だけだ」












その声と共に、もう一度銃音がなった



見ないことにして帰ろうと足を動かすと、此方に近づいてきた





嗚呼、さよなら。私の睡眠













あなた「銃を構えなくてもいいじゃないか。私は何もしてない」












「何もしてない訳が無い!一般人があの状況を見て何も思わないはずがない!!」










「ゲホッ、やめろ樋口、煩いから耳に響く」











「すみません!!」












金髪の可愛らしい少女、樋口一葉と黒と白のグラデーションの髪の芥川龍之介が来た





ポートマフィアと会うのは初だな




いや別に嬉しいという訳では無い













芥川「どんな事情があろうとも、見たのであれば殺すのみ」














そう言い、異能の羅生門を出てきた





取り敢えず避けといた





その後も、暫くずっと避けといた













芥川「ゲホッ、ゲホッ、貴様、一般人ではないな?」












今気づいたのか。いや、最初からか












あなた「はぁ、攻撃を辞めてくれるなら私が誰か教えてやる」









樋口「そんな脅しに誰がっ」







芥川「いいだろう。早く教えろ」












、、、、、、、、、、、先程から思っていたがこの2人息合わなすぎるな










あなた「私は澁澤あなた、武装探偵社戦闘員だ。そして、、、、、、、澁澤龍彦の姉だ」














樋口「ぶ、武装探偵社!?!?女戦闘員は奏有栖しかいないはずだ!!」







芥川「澁澤龍彦、、、、って誰だ?」










あなた「戦闘員なのは本当。だが私はあまりしていない。そして澁澤龍彦は後に嫌という程知ることになるだろう。この事は信用してもらって構わない」












樋口「っ、誰が初めて会った人の事を信用しなければならない」












此方を睨みつけてくる樋口一葉



その目は憎悪と憎しみで満ち溢れていた

だが、その目は光が眩しいほど灯っていた










この少女は確実に光の世界の方が向いている












あなた「何故樋口一葉は闇の世界で生きる?圧倒的に光の世界の方が向いているだろう」








樋口「!!あ、貴方に何がわかると言うんですか!!」







芥川「動揺してるぞ樋口」







樋口「してませんっ!!」









私に敬語使ってるぞ樋口一葉







あなた「自分でも気づいてるだろう?自分にはこの世界は向いていない、辛い、ポートマフィアを抜けたい、自分よりすごい人が沢山いる、自分は芥川先輩の横に立てる価値などない、と」











樋口「、、、、、」









図星なのか、黙ってしまう樋口一葉













あなた「自分はポートマフィアにとって使い捨てのただのモノ、だと思ってないか?」









樋口「うっ、うぅっ、、、、、」







涙を流し徐々に崩れ落ちていく








芥川「!!流石にこれは、、、、」










焦る芥川龍之介を無視して樋口一葉の方へ歩いていく









あなた「確かに私がポートマフィア首領の立場だったら間違いなくお前は捨て駒だ」












芥川「!!いい加減にっ」












あなた「だが、それは私だったらの話。今お前の周りには誰がいる?不器用だけど優しい先輩、人付き合いが良い心強い優しい幹部、共に喋れる同期、何があっても慕ってくれる、従ってくれる部下、そんな人達に囲まれて光栄だと思う」









樋口「!!!」









あなた「だから自分を責めるなよ、一葉」










そう言い私は樋口一葉の前でしゃがみ指で涙を拭き取った







樋口「うぅ、ありがとうございますぅぅ」











さっき拭いたばっかだと言うのに溜めていたのか、ぶわっと涙がボロボロ溢れてきた










あなた「ちょ、鼻水までつけるのはやめろ」







芥川「はぁ、全く、世話をかかせるな樋口。早くポートマフィアに帰るぞ」








樋口「っ!はいっっ!」











もういいかと思った私は瞬間移動して家へと帰った













芥川「澁澤龍彦、、、覚えとく価値はあるだろう。」









車に乗りながらそう言うやつがれ、、、、、
ではなく芥川









樋口「確かに、何かありそうですね、、、、あれ、随分と乗り気な顔していますけどどうしたんですか?」









芥川「そういう樋口もだろう。やつがれは弱者が嫌いだ。だが、アイツは違う。異能は分からないが澁澤あなたが放つ雰囲気、態度、喋り方、表情、、、、間違いなく強者だ。奏有栖よりやつがれは澁澤あなたの方が何倍も強いだろう。精神も異能も身体能力も。そして、アイツは此方の世界の方が向いている。最初に見た時からそう感じていた。何故探偵社にいるのかが分からない」










樋口「ですよね。あの雰囲気、怖気がたちました。探偵社にスパイしてるとか?」










芥川「分からない。でも絶対に殺しはしているだろう」












樋口「兎に角、私もあの方気に入りました!!今度会ったら何かお礼しましょう!あ、」









芥川「ふっ、そうだな」









微かに笑う芥川





車内には暖かい空気が漂っていた













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はぁ、帰るのが遅くなってしまった

あの時あのまま殺しても良かったが、主の推しだから辞めておいた







それに、あの二人はまだまだ未熟だ



こういう所に母性がわくのだろう







そう思いながら玄関のドアを開けた









太宰「お帰りー、あなたちゃん」














ん??????????????????









目の前にはエプロンを着てカニ缶を持っている太宰治



いや、不自然でしかない









あなた「何故ここにいる?」









太宰「いやぁ、実は私が住んでいるところが色んな事情で使えなくなってしまってね。他の人は寝てるし、蛞蝓の所には死んでも行きたくないから何時も夜遅くに帰ってるあなたちゃんの家に来たんだよねー」












いやその色んな事情が知りたいんだよ










あなた「、、、、、、、、何を隠している?」









太宰「あちゃー、やっぱ話さないといけないか。プライバシーに関わるから言うか迷ったんだけど、実は有栖ちゃんのお父さんの会社が移転してしまってね。元々有栖ちゃんはその会社の最上階に住んでて、暫く準備しないといけないんだってー。それで有栖ちゃんは社員寮も持ってないからその時起きてた私の部屋を使うことになったんだよね」










「なら一緒に住めばいいだろう。分かったならさっさと帰れ」








太宰「冷たいなー。それに、有栖ちゃん1人じゃないと落ち着かないらしいからさぁ〜、お〜ね〜が〜い〜」











此奴は浮気がバレて別れようと言われた時に必死にお願いする鬱陶しい系クズ男なのか?





それに奏有栖は太宰治となら喜ぶだろう





色々怪しいが、此奴が面倒臭いから結局許してしまった














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太宰「おぉ〜!この蟹グラタン美味しいね!料理得意なんだ〜〜」









あなた「はぁ、態々材料買わせに行かせやがって」







太宰「何時もカニ缶と味の素しか食べてないから仕方ない仕方ない」











何が仕方ないんだよヒモニートが











それにしても、、、、、






あなた「不健全すぎないか!?」








太宰「うおっ、吃驚した。もしかして心配してくれるの?嬉しいね」








あなた「いや、蟹の食べ過ぎは痛風やアレルギー下痢になったり気分を悪くする可能性があるさらにカニ味噌にはカドミウムが入っていてイタイイタイ病になってしまう可能性があるそして味の素と言ったか味の素を食べ過ぎるのは非常に良くないそもそも味の素を主食として食べる人はいないだろうが兎も角同じ物を毎日食べていたら日常に影響が出る場合があるふとした時や朝起きた時などいつ来るか分からない症状がでてしまうだからやめておいた方がいいと思っただけだ」

※この人はプロフィールにあったように食に厳しいです







太宰「く、詳しいんだね。以後気をつけるよ」








あなた「これぐらい当たり前だと思うが、、、、まぁ、そうしてくれ。私のプライドが持たない」








太宰「(何故他人の食に自分のプライドが関わるのだろうか)」








太宰「あ、そう言えば何時まで白衣とマスク、眼鏡してるの?」









素顔を見せたくないからに決まってるだろ

まぁ1回見られたが










あなた「人が見ている前で外したくない。ましてや太宰くんなんてもっと外したくない」








太宰「え〜いいじゃんちょっとぐらい。何?恥ずかしいの?あなたちゃんが?(笑)」









あなた「挑発的になっても簡単には乗らないぞ。さっさと皿を片付けてエナジードリンク飲め」







太宰「ん〜〜、あ、そうだ。外してくれたらエナジードリンク飲んであげるよ。ほら、人の健康に厳しんでしょ?なら飲んで欲しいよね?外さなかったら飲んであげないよ?どうするの?」








人の弱みをそうやって上手く利用するの辞めてくれないか









あなた「飲んでくれないのは困る。分かった、外す」








太宰「お、意外と素直だね」










結果的には無理やり外させる予定だったんだろ








あなた「ほら、取ったぞ」










太宰「お〜、やっぱり美人だねぇ。なんで隠すの?」








あなた「隠していた方が落ち着くからだ」









嘘だが










太宰「ふ〜ん。今後も私といる時だけ外してくれ給えよ」









あなた「そうしないといけない理由が分からない」








太宰「でも見せちゃたからもう良くない?」








あなた「はぁ、分かったからさっさとエナジードリンク飲め」









太宰「やった〜」










スキップしながら太宰治は机の上に置いてあるエナジードリンクを飲みに行った








《20分後》









私は今、悩んでいる






理由はもう少しで龍彦が帰ってくるからだ


太宰治にバレると非常に不味い






そして龍彦から前、家に人を入れるなと言われた




これじゃあ嫌われてしまうかもしれない

どうしよう








因みに今は太宰治が風呂に入っているため、風呂場のドアの前にいる


いや、別に太宰治を待っている訳ではなく、
体を拭くタオルを置きに来ただけだ






それにしても、どうしたものか








もう考えるのも面白くない











十九徹だった私は風呂場の前の壁に寄って座り込み寝てしまった















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太宰視点







あのー、、、、、、、、これはどうすればいい??









風呂広くて気持ちよかったなって思いながらドアを開けるとそこにはタオルを持って壁によりかかって寝ているあなたちゃんがいた





え、本当にどうすればいい???









もう何か一旦考えるのを辞めて、あなたちゃんの顔を覗き込む




長い睫毛に高い鼻、ぷっくらとしたピンク色の唇と白すぎる肌




誰がなんと言おうとこれは美形だ




見た感じアルビノかな?





私も眠たくなってきて、そのまま隣で寝てしまった











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澁澤視点







私は今、目の前にある状況に理解が出来ていない







タオルを抱えてぐっすり眠る姉さん

ここまでは可愛いくて別に問題はないのだがその横






何故太宰治が居る?????????


それも風呂上がりだったのだろうか、裸のままで姉さんに寄りかかっている




そこは私の立場なはずなんだが???????







先に太宰治と姉さんをすぐに離して、姉さんを姫抱きする

そして寝所まで連れていった






全く寝ていなかったのであろう、まだ爆睡をしている姉さんをベッドに下ろし、おそらく私がいることがバレたら不味いだろうからその後家を出ていった




太宰治がいなくなったら姉さんに問い詰めるか











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《数時間前》※あなた様は居ません






賢治「そういえば志賀さんの件、どうしますか?」










与謝野「何すればいいか分かんないもんねェ」







乱歩「僕は澁澤が怪しいと思うけどね」











谷崎「!!確かに、見た目とか、、、」










太宰「でも決定的な証拠がないといけないからな〜」










敦「澁澤さんの家とか行ったら何かわかるんじゃないですか?ほら、あの人社員寮持ってないし」








太宰「でもどこにあるかって話なんだよね」










乱歩「そういう時こそ太宰の勘で行ったらいいんじゃないの?僕は当たると思う」










福沢「なら、太宰に1週間澁澤の家に住んでもらおう」










太宰「ん〜〜〜、まぁ分かりました」









それで太宰は澁澤の家に居るのだった













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主からのちょいネタ





・主絶対芥樋カプ推してますよね
ていうか女性キャラで一番好きですよね、ひぐっちゃんのこと



主「主から主に向けてとか不自然でせぇ」
樋「私たちの扱い優しいですよね確実に」
主「そんな事ないでぃ」
芥「途中で主の推しだから殺さないと打ったのは何処の何奴だ?」
主「そんなやつ知らねぇでぃ」
芥樋「「まずその喋り方をどうにかしろ」」







・あなた様は家庭科の成績5中100です
其れぐらい料理上手いし裁縫も得意です
不眠症ですが




乱歩「途中で十九徹目とか書いてたもんね」
森「探偵社ってマフィアよりブラックなの?」
ゴーゴリ「いや絶対ポートマフィアも其れぐらい働かせてるよね!!」
福地「確かにな!!」
マーガレット「こっちの方が断然ブラックじゃないわ。寧ろホワイトよ」
織田「組合はブラックだと思うぞ」
久作「そういう問題じゃないと思うよおじさん!!」
黒服「誰か早くこのメンツに突っ込んでくれ!!!!」

草しか生えないこの状況







では又次回でお会いしましょう〜

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