放課後の図書室は、いつもより少し静かだった。
窓から差し込む夕陽に照らされた本棚の影。ひっそりとした空間の中、道枝駿佑は今日も一冊の分厚い本を抱えて座っていた。彼が手に取っていたのは、どこか古びた装丁の幻想小説。そのページをめくる指先がふと止まった。
本棚の奥、埃をかぶった一冊が、彼の目に留まったのだ。
その瞬間、図書室のドアが開く音がした。
冷静な声の主は、生徒会長の西畑大吾。彼は面倒見がいい性格で、しょっちゅう道枝を探していた。
西畑が眉をひそめてその本を手に取ったとき、ドアが再び開いた。
ノリの軽い若手教師、藤原丈一郎が顔を出すと、その後ろから転校してきたばかりの大西流星がひょこっと覗いた。
長尾謙杜、高橋恭平、大橋和也らも続々と集まってきた。誰かがふざけて本を開いた、そのときだった。
——ページが、まばゆい光を放った。
気づけば七人は、図書室とはまるで違う場所に立っていた。
目の前には見たこともない景色。空に浮かぶ本、しゃべる鳥、歪んだ時計塔。そこは“物語の世界”だった。
声が聞こえた。
それぞれの胸の奥に秘めた“願い”が、静かに揺れ始める。
—転校生・大西の抱える秘密とは?
—道枝にだけ見える“本の中の言葉”とは?
—そして、西畑が隠していた過去とは?
友情と葛藤、ほんの少しの魔法。
七人の物語が、今、ページをめくるように始まった——。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。