大好きな人が私の名前を呼んでいる。
何度も。
何度も。
でも私はまだ…
まだ眠い。
ヤダヤダ。
目開けたくない。
聞こえないフリして、また夢の中へ落ちていく。
千冬の優しい起こし方じゃ、私は全く起きない。
だって朝弱いんだもん。
…あっ、掛け布団持ってかれた。
寒い。
アカン。
これ顔は笑ってるけど、目が笑ってない。
渋々眠たい目をこすって身体を起こす。
返事をして、とぼとぼと洗面所へ向かう。
さすがに顔を洗えば嫌でも眠気が覚める。
冷たい廊下を少し早歩きで通り、リビングに行く。
いい匂いがする。
朝だから簡単な朝食が並んでいた。
綺麗な焼き目が付いたトーストと目玉焼き。
熱々のコーヒー。
毎日食べても飽きないの、すごいよね。
私が朝食を食べてる間、洗濯物を干してくれている。
本当によく出来た子だよ。
生まれてきてくれてありがとう。
食べ終えてササッと片付けて、身支度を始める。
簡単に顔面工事を終わらせて髪も整える。
朝が苦手な私だからこそ、支度はあまり時間をかけない。
時計は7時50分。
うん、なんだかんだで間に合う。
リビングに戻ると、家事を終えた千冬が優雅にコーヒータイムしていた。
毎日言ってるけど、恥ずかしいみたい。
照れてる顔可愛い。
黒髪の千冬が本当にかっこよくて、目に入れても絶対痛くない。
黒髪+スーツ、最高。
時間確認するからなんだろうと不思議に思ってると、視界が真っ暗になった。
どういう状況か理解するのに、5秒かかってやっとわかった。
今私、千冬の胸の中だ。
そう言ってギューッと私を抱き締める。
同じ屋根の下で、同じ柔軟剤とかシャンプーとか使ってるはずなのに。
千冬の匂いがする。
トクントクンと、規則正しい心音が聞こえてくる。
私も千冬を抱き締めようとした所で、我に返る。
時計は8時10分。
走れば間に合う。
2人してバタバタと家を飛び出す。
どっちが悪いかなんて、そんなくだらない事で、笑いながら駅まで向かうのも、たまには悪くないんじゃないかな。
更新頻度遅くてすみません💦
甘々(?)ではないかもですけど、一応リクエスト頂いていた千冬です😂
ちょっとギャグっぽくなってしまったかも…
リベンジします…🥲
11月も自分の誕生日があったりで、更新遅くなると思います💦
コロナが少し落ち着いて来たから、友達にお祝いしてもらって来るぞ〜🥺
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!