第67話

松野千冬
6,086
2021/11/01 15:03
松野千冬
あなた
大好きな人が私の名前を呼んでいる。

何度も。

何度も。

でも私はまだ…
あなた
……
松野千冬
あなた!!
松野千冬
早く起きてー!
まだ眠い。

ヤダヤダ。

目開けたくない。

聞こえないフリして、また夢の中へ落ちていく。
松野千冬
会社遅れても知らないぞ〜
千冬の優しい起こし方じゃ、私は全く起きない。

だって朝弱いんだもん。

…あっ、掛け布団持ってかれた。

寒い。
あなた
ちーふーゆー
松野千冬
…早く起きなさい
アカン。
これ顔は笑ってるけど、目が笑ってない。

渋々眠たい目をこすって身体を起こす。
あなた
…おはよ
松野千冬
おはよ。
もー早く顔洗ってきなよ〜
返事をして、とぼとぼと洗面所へ向かう。

さすがに顔を洗えば嫌でも眠気が覚める。

冷たい廊下を少し早歩きで通り、リビングに行く。

いい匂いがする。

朝だから簡単な朝食が並んでいた。

綺麗な焼き目が付いたトーストと目玉焼き。

熱々のコーヒー。

毎日食べても飽きないの、すごいよね。

あなた
いつもありがとう千冬…
良い奥さんになるよ…
松野千冬
ふざけてないで食べな
あなた
いただきまーす
私が朝食を食べてる間、洗濯物を干してくれている。

本当によく出来た子だよ。

生まれてきてくれてありがとう。
食べ終えてササッと片付けて、身支度を始める。

簡単に顔面工事を終わらせて髪も整える。

朝が苦手な私だからこそ、支度はあまり時間をかけない。

時計は7時50分。

うん、なんだかんだで間に合う。

リビングに戻ると、家事を終えた千冬が優雅にコーヒータイムしていた。
あなた
千冬、今日もかっこいいね
松野千冬
…ん、ありがと…
毎日言ってるけど、恥ずかしいみたい。

照れてる顔可愛い。

黒髪の千冬が本当にかっこよくて、目に入れても絶対痛くない。

黒髪+スーツ、最高。
あなた
…くっ…尊い…
松野千冬
何か言った?
あなた
んーん!!何でもないよ!!
松野千冬
そ?ならいいんだけど…
まだ時間あるな
時間確認するからなんだろうと不思議に思ってると、視界が真っ暗になった。

どういう状況か理解するのに、5秒かかってやっとわかった。

今私、千冬の胸の中だ。
あなた
ち、ふゆ?
松野千冬
1日頑張れるように、充電
そう言ってギューッと私を抱き締める。

同じ屋根の下で、同じ柔軟剤とかシャンプーとか使ってるはずなのに。

千冬の匂いがする。

トクントクンと、規則正しい心音が聞こえてくる。
あなた
…充電って、可愛いね
私も千冬を抱き締めようとした所で、我に返る。
あなた
あ、時間
時計は8時10分。

走れば間に合う。

2人してバタバタと家を飛び出す。



どっちが悪いかなんて、そんなくだらない事で、笑いながら駅まで向かうのも、たまには悪くないんじゃないかな。










更新頻度遅くてすみません💦
甘々(?)ではないかもですけど、一応リクエスト頂いていた千冬です😂
ちょっとギャグっぽくなってしまったかも…
リベンジします…🥲


11月も自分の誕生日があったりで、更新遅くなると思います💦
コロナが少し落ち着いて来たから、友達にお祝いしてもらって来るぞ〜🥺

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